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突然ですがこちらに移転しました。

「ビジテリアン」とは何か。

トップページ、青空文庫の新着情報欄に『ビジテリアン大祭』(宮沢賢治)が上がっています。

これ。昔私が宮沢賢治全集を読もうとして読めなかった作品なんです(宮沢賢治の全作品を対象とすると、読めなかったものが結構あります)。

「ビジテリアン」とはもちろん「ベジタリアン」のこと。発音からすると「ベジタリアン」の表記よりもむしろ正しいかもしれませんね。

作品冒頭に記されています。

全体、私たちビジテリアンというのは、ご存知の方も多いでしょうが、実は動物質のものを食べないという考(かんがえ)のものの団結でありまして、日本では菜食主義者と訳しますが主義者というよりは、も少し意味の強いことが多いのであります。菜食信者と訳したら、或(あるい)は少し強すぎるかも知れませんが、主義者というよりは、よく実際に適(かな)っていると思います。

この作品もずっと「菜食主義者」の「信者」的側面から描かれているんですね。私のような陰険な人は(笑)、「信者」の語を使うのであれば、最後にはその信者たちが陥穽に落ちることになるのか、あるいは宮沢賢治作品なのでスマートに信者たちが凱歌をあげることになるのか。

その辺の微妙なバランスが気になって、最初に見たときにはどうしても読み進めることができなかったのでした。

閑話休題。

1992年だったかな。Mac World Expo に BMUG (Berkley Macintosh Users' Group) の一員として参加したことがありました(かれこれ5回ほど参加したでしょうか)。

Expo が終り、打ち上げを行っているときのこと。店のメニューに「たこ焼き」がありましたので注文しました。

それを米国人ベジタリアンの女性が食べたんですね。彼女は魚類はOKというベジタリアンだった。

件の女性。「これに入っているものは何か! 肉ではないのか?!」と。「たこ焼き」ですから肉のわけはない。それを説明しようとしてつい口ごもりました。

「確か蛸を悪魔の使いとして嫌う文化があったのではないか。中身が肉ではなく蛸だと言ったら余計にまずいことにはなるまいか」。

「それ、海産物だよ。え~と、英語で何ていったかな」。とぼけて後は店の喧噪で流してしまいました。

悪いことをしたなと思いつつ。食い物に主義主張があるのならば、喰う前に尋ねればどうなんだとも^^。

私は基本的に形を保ったままの玉葱が食べられません(溶けていれば大丈夫)。ですからまずは「玉葱が入っているか否か、まず喰ってみてくれ」と人に頼むことにしています^^。