日経産業に面白い記事がありました。
「記憶の未来」と題された記事で、いろんな記録媒体(含:ネット)の変遷や、それに伴う生活の変化を扱ったもの。この「記録媒体と生活」をテーマにするのはまったくまともなことで、現象自体興味深いもの。ただ、その導入が笑える。
「これを買ってから夫婦仲が良くなったの」-ー。カリフォルニア州サンノゼ近郊のキャンベルにある自宅で、ユエンユエンさんと夫のジョエル・アンドレンさんが、夫婦円満のための"秘密兵器"を教えてくれた。家庭用録画装置の「ティーボ」だ。で始まるこの記事。
要するに、共働きの夫婦が帰宅後、それぞれに観たいテレビがあれば自室に引きこもってテレビを見ていたのが「夫婦の危機」だったと。それで「ティーボ」のおかげでテレビの放送時間に縛られない生活ができるようになって、夫婦の危機を救ったと。
それ、なんか論理的なようでいて詭弁じゃないのか(笑)?
そもそも最初「お互いの存在よりテレビ」ってことだったんでしょ。それに「時間に縛られない」とは、仕事とかそういう必然の制約から免れて「見たい番組は全部見られる」ことにもつながって、結局テレビの前にいる時間が増えるんじゃないのか(笑)。
意図としては「現代技術」が、トラディショナルな人間関係にも影響を及ぼすということを示したかったんだろうな。しかし挙げられた例があまりにチープ。記者の意図は完全にジョークとして現れてしまいました。