2011年8月末から。心筋関係の病気でしばらく入院することとなった。その思い出の季節が近づいてきたな。
左心房の働きが正常状態比でほとんどなくなってる(8%ほど)というひどい状態だった。「奇跡だけどふざけんな」というのが医者側の対応。もっとはやく病院にこいというわけだ。
NHK出版 (2011-11-18)
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そのときの目立つ症状。
- 仰臥姿勢がとりにくくなる
- 腹が出る(むくむ)
- 呼吸の効率が落ちる
- 頭が使えなくなる(翻訳ができなくなる)
他にも、たとえば3分と続けてあるけない、だとかいろいろな症状はあった。しかし妻(ちなみに当時は妻ではなかった)と行動をともにしていなかったので、その辺は妻には通じていない。妻が見たことのみで話をしよう。
とくに誤解を招いたのは1番めおよび2番めだ。
まず「仰臥できない」のでデスクに座っていた。妻曰く、「体調悪いなら寝ろ」。実は当時、心臓の力が衰えていたので、体内に送り出した血液を循環させることができなくなっていた。なので、肺に行った血液ないし水分は肺にたまりっぱなし。「陸上にいながら溺れている状態ですね」と医者が説明してくれた。
仰臥すると肺の上の方まで水が来る。上体を立てていればとりあえず肺の上の方には空間ができる。つまりは寝てると死ぬのだ。生きる意欲を持っていたぼくは起き上がっていた。妻は「寝ないのなら体調はさほどひどくないのだろう」と考えた。
また、血液が巡回しないので、食ったものが消化できない。だから食えない。モノは食えないけど腸など内臓にいった水分が巡回しない。したがって内臓はむくむ。外見的には腹が出る。
妻はそれを見て「こいつはどこの女と飯を食ってきてるんだろう」と思ったそうだ。飯を食ってないのに、そんなに腹が出るわけはないというわけだ。もちろん、妻にそう疑われるような過去は枚挙にいとまがない(苦笑)。
彼女は、「いよいよこいつは好き勝手はじめやがったな」と考えたらしい。
3番めの呼吸効率の悪化だが、着ているシャツを脱ぎ捨ててぜいぜい言っているぼくを見ても、どっかの女と食い過ぎてデブデブになって腹が苦しいんだろうと思っていた様子。
仕事である翻訳の最中に頭をかきむしり「文の意味がわからない!」と訴えかけたりもした。それに対しては彼女、「どうせ私にはさいしょから意味がわからないから、何が辛いのかわからなかった」とのこと。
「調子悪いんだったら寝ろよ!」。「外で女と飯食ってんじゃねえよ!」。そんな声を浴びつつ、時間ができて医者にいった。すぐに集中治療室に入れられて、そのまま入院となった。
教訓はひとつだ。そこまでのひどい状況を見過ごさない女と一緒になれ。
あ、間違えた。そこまでひどい誤解をされない程度の信頼感は互いの間にもっておけということだ。たぶん、広い意味で言えば自業自得で、ぼくは生涯初の入院にいたる病の中、一層苦しみながら生活することになったのだった。
今にして思えば良い思い出だ^^。
ちなみに、「妻」と呼んでいるんだから当たり前だが、その後、無事に結婚している。