ミノムシはどうやらやばいらしい。絶滅危惧状態にあるのだそうだ。
そんな中見かけたミノムシ。
場所は北の丸公園近くだ。見つけて写真を撮っていた。そこに近づいてきた見知らぬおじさん。
「え、ミノムシですか」。
最初からテンションが高い。ミノムシというのはカブトムシのように大人気の生き物というわけではないがなあ。そう思いつつ「ええ、そうです」と応える。するとおじさん。
「絶滅してはいないんですね!」。
おもむろにデジカメを取り出して撮影を始めた。その時点で何か気付くべきだよな。おじさんの年齢は50代後半だ。そんなおじさんがいきなりポケットからデジカメを取り出して、ミノムシを撮影するなんざ尋常なことではない。
でもぼくも似たような年齢のくせにデジカメを持ち歩き、そしてミノムシに騒ぎ立てているもんだから状況を客観的に見ることができなかった。当たり前に返事をした。
「ねえ。まだいましたね」。
「ミノムシ」に興奮する仲間なんてさほどいるわけじゃないことにもうちょっと注意しておくべきだったかな。
撮影を終えて立ち去るおじさん。ぼくはそのまま、今日の予定の科学技術館へ。
別れて30分ほどもしてから後悔した。「ミノムシ」に興奮する人とお友達になるチャンスを失ったんだな。冷静になっていれば、茶にでも誘って面白い話を聞かせてもらえたかもしれない。惜しいことをした。
変なおじさんには毛がない(チャンスの神様は前髪しかない from 「チャンスの前髪」竹内まりや)ことが多いから、見かけたらすぐに抱きしめてゲットすべきだ(今回の相手の方はふさふさしてたけど)。