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気になったこと日記 on はてな

突然ですがこちらに移転しました。

6月読書記録 ― 『マリアビートル』、『ヒト、動物に会う』など

ちょっと読書数が減ってしまった今月。『マリアビートル』に感動してしまった。「伊坂ワールド」のひとつの完成形なんじゃないかと思ったり(注:当方は伊坂幸太郎初心者)。

 但し、これをひとつの「完成形」として捉えると、もっと積極的に「暴力」が介在してくる伊坂作品も、また違う意味での「完成形」かと思えてきたりもする。そうか、つまりは伊坂幸太郎が素晴らしいんだな。

あと今月読んで幸せになった本の代表をあげろと言われれば『ヒト、動物に会う』かな。著者の小林朋道氏の本は今月『先生、シマリスがヘビの頭をかじっています!』ってのも読んだ。『ヒト、動物に会う』の方がやや学究的な感じもするけれど、そこに著者の人間的魅力があふれかえっていた。

ヒト、動物に会う: コバヤシ教授の動物行動学 (新潮新書)

ヒト、動物に会う: コバヤシ教授の動物行動学 (新潮新書)

 

最近は何年かぶりに訪れた読書ブーム。読書ブームの中でも本当にひさしぶりの「小説」ブーム。幸せな時間を過ごしてる。


2014年6月の読書メーター
読んだ本の数:22冊
読んだページ数:6755ページ
ナイス数:123ナイス

苔の話―小さな植物の知られざる生態 (中公新書)苔の話―小さな植物の知られざる生態 (中公新書)感想
植物はクチクラ層を発達させるなどして乾燥に「適応」する。しかし作りが単純なコケは「適応」などできず「受容」するのだそうだ。「乾燥するならするしかないね」という感じ。帯にある通り、苔の「けなげ」に見えて「したたか」な話もたくさん。読み物とお勉強的な話のバランスもよくとても楽しめる(絵や写真はあまりない)。
読了日:6月30日 著者:秋山弘之
この女この女感想
中高と大阪にいたものの、知らない大阪はたくさんある。「木は森に隠せ、言いますやろ。通天閣に隠すならビリケンですわ」というのもこの本に教えてもらった。
読了日:6月29日 著者:森絵都
ヒト、動物に会う: コバヤシ教授の動物行動学 (新潮新書)ヒト、動物に会う: コバヤシ教授の動物行動学 (新潮新書)感想
新書ながらかなり本格的な内容も含まれ、大いに楽しめた。本書によれば「シロアリの分類を行える学者は世界に3人しかおらず、ササラダニについては、北米で研究者はただ一人しかいない」とのこと。よって「土壌動物の分類学者になれば、やりがいもあるし、食いっぱぐれることはない」のだそうだ。確かに面白そうな世界。
読了日:6月27日 著者:小林朋道
虚言少年虚言少年感想
「俺としてはスプーン曲げなんかより林家正楽紙切りのほうがずうっと凄いと思うし、面白いというならユリ・ゲラーより由利徹のほうがずうっと面白い」ということをいう少年たちが小学生だった時代の物語。
読了日:6月27日 著者:京極夏彦
コケの世界―箱根美術館のコケ庭コケの世界―箱根美術館のコケ庭
読了日:6月25日 著者:高木典雄
架空の球を追う架空の球を追う
読了日:6月24日 著者:森絵都
ゴールデンスランバーゴールデンスランバー感想
「わたしのことどう思ってた?」「生命力に溢れてた」「溢れる生命力って、ゴキブリに使う表現だよね」なんていう、女性同士の会話から国家規模犯罪ストーリー。「物語には嘘があっても面白い」という伊坂幸太郎的嘘の炸裂具合も素晴らしい。
読了日:6月24日 著者:伊坂幸太郎
先生、シマリスがヘビの頭をかじっています!先生、シマリスがヘビの頭をかじっています!感想
タイトルは「人が犬に噛み付いた」的「ニュース」ではなく、よくある動物行動のひとつなのだそうだ。ヘビの匂いを身にまとうことで、ヘビに襲われにくくなるのだとか。ところで「アカハライモリの寿命は20年を超す」のだそうだ。
読了日:6月22日 著者:小林朋道
砂漠砂漠感想
小岩井農場の感想をきかれて「牛とか羊とかがいたなあ」と応える奴。交際の申し込みを受けて「駄目だから」という返事で断る美人。パソコンを「収集」しているわけではないが、趣味にしている奴。好きな小説家を問われて「わたしはそう簡単に人を好きになったりしません」と応える書店販売員。思いを寄せる男の子の誕生日が中学時代とは違うんじゃないかと不安を感じる超能力者。そんな人々の青春物語。
読了日:6月22日 著者:伊坂幸太郎
コケの謎―ゲッチョ先生、コケを食うコケの謎―ゲッチョ先生、コケを食う感想
読んでも、コケの生態がよくわかったり、見かけるコケを同定できるようになったりするわけではないと思う。ここをきかっけに(もしかすると)コケに興味を持っていく、という位置付けの本。いったんコケにハマってしまった場合、標本を作りやすいのがメリットらしい。曰く「(コケはあまりにまずいので)標本を入れておく紙包みのほうが虫に食われても、コケ自体は食われないんです」とのことで、ムシがわくような心配も少ないらしい。
読了日:6月21日 著者:盛口満
ガソリン生活ガソリン生活感想
車にとって、電車は尊敬の的で、畏怖すべき存在なのだそうだ。なぜなら「車輪の数に比例して、高度な知性を備えていくんだ」から。車の、電車に対するストレートなリスペクトが素敵だ。しかしそんな素直な車でも現代社会には不満もあるらしい。車同士で会話をする。「立派な大人がどこにいるんだよ」「ネットで検索すれば出てくるんじゃないのか」。ぜひ亨には「立派な大人」になってもらおう。
読了日:6月19日 著者:伊坂幸太郎
走る男走る男感想
たとえていえば、囲碁のルールを知らない人に、石の動きを見せて、そこからルールを想像させるような小説。石の動きから徐々に小説で描かれる社会のルールが見えてくるが、結局のところ、本当のところはわからない。
読了日:6月14日 著者:椎名誠
いいおじいさんの話いいおじいさんの話
読了日:6月14日 著者:小川未明
終末のフール終末のフール感想
伊坂ワールド的「暴力」が登場するが、今度の主役級暴力には「悪意」がない。そのせいか、部分的にかなりあっけらかんと明るい。たとえば「恋人ってどうすればできるんですかね」と悩む乙女は「分かんないところは飛ばせ」とアドバイスをうけそうになったりする。もちろん暴力の蔓延する社会だけに「この五年間どうやって生きていたんですか?」と問われても「必死だよ。必死。必死で生きていたんだよ」 と応えるしか無い。しかしその「必死」さが、ほのぼのと読者を楽しませてくれるのだ。
読了日:6月12日 著者:伊坂幸太郎
マリアビートル (角川文庫)マリアビートル (角川文庫)感想
素晴らしい。格好悪いことを言わせてもらえば、暴力のセンスと日常のナンセンスが融合して、ある意味でキッチュでありながらも和ませてもくれる最終シーンに向けて突き進む。ときに辟易させられることもある暴力的世界が、完璧に作品の中の必須要素として取り込まれている。暴力の描き方の新地平。物語としての結論は「ゲームで言えば、ハイドライドだとかザナドゥみたいなものだ。敬意を払うべきだろう」ということであった。
読了日:6月11日 著者:伊坂幸太郎
宇宙のみなしご宇宙のみなしご感想
「中学二年生になって、夏休みがきて、終わった。中学一年生の夏休みが終わった瞬間から楽しみに待っていた夏休みが終わってしまった」と気づき、理由もないのに始めた登校拒否から生まれる物語。
読了日:6月10日 著者:森絵都,杉田比呂美
残される者たちへ残される者たちへ
読了日:6月8日 著者:小路幸也
転迷―隠蔽捜査〈4〉転迷―隠蔽捜査〈4〉
読了日:6月7日 著者:今野敏
SOSの猿SOSの猿感想
孫悟空の話がモチーフとして多用されている。孫悟空を知らないとわからない場所もあり。但し、孫悟空のことを知っているからと言って、物語に親しみやすくなるというわけでもなかろう。ちなみに「孫悟空」は広辞苑にも乗っている。残念ながら新明解や三省堂国語辞典などには、ない。
読了日:6月7日 著者:伊坂幸太郎
疑心―隠蔽捜査〈3〉疑心―隠蔽捜査〈3〉感想
多くの方がおっしゃってる通り、女性に対するもやもやの話が長くて読者としてはいらいら。問題解決にいたるストーリーも薄く感じてしまった。きっと筆者としては「婆子焼庵」を使いたかったんだろうな。確かに面白いモチーフだと思う。
読了日:6月5日 著者:今野敏
ひまわり事件ひまわり事件感想
「健康に関して小うるさいやつに、つきあって心楽しい人間はいない」なんてことを言うムズカシイお年寄り。それでも健康は損ねているわけで、麻雀をやると「一萬」と「二萬」、「二萬」と「三萬」が、判別しにくいのだなんてことになる。そんな(どんな?)お年寄りたちと、ガキンチョどもが時代の中で引き起こす「ひまわり事件」。
読了日:6月2日 著者:荻原浩
風に舞いあがるビニールシート (文春文庫)風に舞いあがるビニールシート (文春文庫)感想
面白かった。けれど収録1作目の「器を探して」。器を売っている男が不快に感じられ、読むのをやめそうになった。「売ってやる」かどうかを判断するのにお茶に誘いながら「お茶ではないなにかを誘いかけて」くるという便乗野郎。全編読んでわかったけれど、この男、「不快な人物」として描かれているのではないようだ。主人公が頑張って生きている世界の中に出てくる、自分に好意をもつ人物のちょっとしたエピソードであるらしい。これほどまでに、悪い意味で調子の良さそうな人物を出す必要があったのかどうか。そこは理解できない。
読了日:6月1日 著者:森絵都

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