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突然ですがこちらに移転しました。

面白い本に多く出会えた5月。『ペンギンが教えてくれた物理のはなし』は素晴らしいよ!

5月。数十年ぶりに『旅のラゴス』を読んだ。学生の頃に読んで以来、強い影響を受けてしまった本。それが客観的に「成功」だったか「失敗」だったかは微妙なところなれど^^。

旅のラゴス (新潮文庫)

旅のラゴス (新潮文庫)

 

で、この『旅のラゴス』。まったく問題なく5月のベストとしたかったんだけど、5月31日に読んだ本があまりに面白すぎた。その本とはペンギンが教えてくれた物理のはなし』。

ペンギンが教えてくれた 物理のはなし (河出ブックス)

ペンギンが教えてくれた 物理のはなし (河出ブックス)

 

得られる知識も素晴らしいし、また記述スタイルも楽しい。内容に重複があって、そこが気になるかもしれないけれど、「大事なことだから2度言うね」と介せば納得できる^^。

著者はテレビ番組などにも登場する有名な人らしい。ぜひ読んでみるべき本のうちの一冊だと思うなあ。

尚、『インターネット・ゲーム依存症』もわりと面白かった。ただデータに基づく主張は冒頭のみで、中盤以降はよくあるネトゲ批判な内容になっていたのは残念。

 あ! 死ぬまでに読んだ方が良いと思える本に出会ったことを忘れていた。『詩のこころを読む』。「現代詩」といのを読み始めて数十年になるし、詩の解説本も何百冊も読んだ。その中で、この本はとてもおすすめだった。

詩のこころを読む (岩波ジュニア新書)

詩のこころを読む (岩波ジュニア新書)

 

以下、5月に読んだ本。

2015年5月の読書メーター
読んだ本の数:20冊
読んだページ数:5778ページ
ナイス数:148ナイス

ペンギンが教えてくれた 物理のはなし (河出ブックス)ペンギンが教えてくれた 物理のはなし (河出ブックス)感想
面白すぎる。全部を読む時間のない人にエッセンスをお届けするなら「アホウドリは46日間で地球を一周する/ウェッデルアザラシは一時間近く息を止められる/クロマグロは太平洋の端から端まで横断し、また戻ってくる/グンカンドリは三日三晩着地することなくふわふわと舞い続ける」てな具合だ。こんなエッセンスを知らされて、興味を示さない人がいるだろうか(いやいない)。
読了日:5月31日 著者:渡辺佑基
銭売り賽蔵銭売り賽蔵
読了日:5月30日 著者:山本一力
オン・ザ・マップ 地図と人類の物語 (ヒストリカル・スタディーズ)オン・ザ・マップ 地図と人類の物語 (ヒストリカル・スタディーズ)
読了日:5月28日 著者:サイモン・ガーフィールド
インターネット・ゲーム依存症 ネトゲからスマホまで (文春新書)インターネット・ゲーム依存症 ネトゲからスマホまで (文春新書)
読了日:5月28日 著者:岡田尊司
ムーミンのふたつの顔 (ちくま文庫)ムーミンのふたつの顔 (ちくま文庫)感想
ムーミンは「悪性単細胞と重症理想主義をわずらっている」のだそうだ。ちなみにそのことは「診断などせずともわかっている」ことらしい(^^)
読了日:5月23日 著者:冨原眞弓
空色バトン (文春文庫)空色バトン (文春文庫)感想
「仲間」のことを「頭がいいぶん、センスが悪くて、ズレてる人っているのよね」なんてことを思いつつ付き合っていく少女たちの物語など。
読了日:5月21日 著者:笹生陽子
詩のこころを読む (岩波ジュニア新書)詩のこころを読む (岩波ジュニア新書)感想
素晴らしすぎる。「岩波ジュニア新書」は全体として好きなシリーズなれど、不満を感じる本も多い。本書は完璧な「岩波ジュニア新書」と思う。阪田寛夫の詩あたりからリズムにのって読み進めれば良いんだと思う > さいなら わしゃもうあかん/死なんでおれへん/電車がええのや/ガーッときたら/ギョキッと首がこんころぶわ/そやけど/むかしから/女に二時間待たされたからて/死んだ男がおるやろか/それを思うとはずかしい from 「葉月」(抜粋)(阪田寛夫
読了日:5月21日 著者:茨木のり子
でりばりぃAge (講談社文庫)でりばりぃAge (講談社文庫)感想
真っ直ぐな線をひく弟をもった姉の物語。「じょうぎを使わず、いかに長くまっすぐな線を描くことができるか。それがケンジの考えた最高の遊びらしい」。ちなみにその弟、「お父さんからもらったロボットのおもちゃは、箱に入れたまま本棚に飾っている。気に入らないのではなくて、大切な宝物だから使わずにとっておくのだ」という性格の持ち主なんだそうだ。主人公の姉はといえば「妙にうきうきしている自分がいやだ。いやだから、電車のなかでは隣に立っていたオジサンを殺す想像をして気をまぎらわせた」りするタイプ。
読了日:5月19日 著者:梨屋アリエ
告白 (双葉文庫) (双葉文庫 み 21-1)告白 (双葉文庫) (双葉文庫 み 21-1)
読了日:5月18日 著者:湊かなえ
ウィンター・ホリデー (文春文庫)ウィンター・ホリデー (文春文庫)感想
元ヤンキーの「ホストだけど」、「覚えとけ。酔っぱらいの対処法は二つだ。まず、目につかないこと。それから、否定しないこと」などの実践的(?)ノウハウを持つ男が主人公。
読了日:5月18日 著者:坂木司
こなもん屋馬子こなもん屋馬子感想
第一話「ブタ玉のジョー」に出てくるお好み焼き談義が圧巻。とても長い部分ながら、たとえばキャベツ。「なお、キャベツの刻み方だが、最近はフードプロセッサーなどでみじん切りにしてしまうやり方もあるようだ。私はキャベツとキャベツが絡まりあうことによって、お好み焼きの土台がしっかりすると思っているので、やはり千切りに軍配をあげたい」。つい釣られて自らもお好み焼きを語り出したくなってしまう。
読了日:5月17日 著者:田中啓文
奇想博物館 最新ベスト・ミステリー奇想博物館 最新ベスト・ミステリー
読了日:5月16日 著者:日本推理作家協会編
ヒトはなぜ眠るのか (講談社学術文庫)ヒトはなぜ眠るのか (講談社学術文庫)感想
眠ってしまったウサギについて。変温性のカメは走って筋肉を動かせば動かすほど、体温は上昇し調子がよくなる。すなわち速く走れるようになる。しかし毛皮に覆われたウサギは、途中で眠ることで体温を下げざるを得なかったのだ。ウサギだって、なまけたわけではなかったらしい。そんなこと「も」、書いてある本だった。
読了日:5月15日 著者:井上昌次郎
でーれーガールズでーれーガールズ感想
世良公則じゃって、もんた&ブラザーズじゃって、ぼろぼろのジーパンはいとるが? ちょびっとぼろぼろのんが、でーれーカッコええんじゃ」というセンスの時代に青春時代を送った少女たちとその後の物語。ちなみに当時の「格好良い中年」は中村雅俊だった。曰く「中村雅俊似のイケてる中年で、生徒のあいだでもけっこう人気があったのに」。
読了日:5月13日 著者:原田マハ
理不尽な気象 (講談社+α新書)理不尽な気象 (講談社+α新書)感想
「理不尽な」というのはよくわからなかった。が、面白かった。「気象庁では毎年(なんと、1965年から!)9月末に「紅葉の見頃予想」を発表しています」という情報など、日常の中で「フツー」に考えていたことの「面白さ」を再発見させてくれる。最近話題になっている下水の温度上昇が招く多摩川の環境変化などについても書いてある。さらになぜ「親潮」が栄養に富むのかという小学生がかならずぶつかる疑問についてもわかりやすい解答を与えてくれる。コンピューターについては「古いよ」という話もあれど、お得具合、高し!
読了日:5月9日 著者:森田正光
数学は言葉―math stories数学は言葉―math stories感想
「理科や社会では存在しないものの定義などしません。なんといっても、理科や社会では、まず例ありき、なのですから。けれども数学ではちがいます。『定義ありき』なのです。具体的対象が存在するかどうかは、定義してもよいかどうかに関係ないのです」という話をとてもおもしろく感じた。ただし全体的には「普通」の数学入門書という感じ。とりたてて本書を読む必要はないし、また数学に挫折した人が本書で救われるというようなこともないと思う。
読了日:5月9日 著者:新井紀子
東京大学応援部物語東京大学応援部物語感想
そもそも「応援」することが好きじゃない。競技場においては「鳴り物」入りの応援が好きじゃない。と、そんなことを思うぼくがスポーツを見ることと、そして「応援」することの違いをあらためて考えてしまう本。
読了日:5月5日 著者:最相葉月
旅のラゴス (新潮文庫)旅のラゴス (新潮文庫)感想
30年ぶりの再読。「人間はただその一生のうち、自分に最も適していて最もやりたいと思うことに可能な限りの時間を充てさえすればそれでいい筈だ」。30年前のぼくはこの言葉に徹底的に「ヤラレタ」感じがしたものだった。結局、その言葉に従った30年を過ごしてきたけれど、それが成功だったのかどうか。ただ、ぼくは良い人生だったと満足している。
読了日:5月4日 著者:筒井康隆
蚤と爆弾 (文春文庫)蚤と爆弾 (文春文庫)感想
蚤も爆弾も比喩ではなく、そのまま蚤と爆弾のお話。端的にいえば731部隊の話を小説化したもの。筆者の思いや後付の「歴史的」評価などを捨象し、あるいは「作品」は「事実」からも乖離して完全に「自立」する。吉村昭を知らない人は「このような歴史小説の書き方があるのか」と驚きを感じるはず。
読了日:5月4日 著者:吉村昭
ホテルジューシーホテルジューシー
読了日:5月1日 著者:坂木司

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