小学生に尋ねられた。「“官民”ってなに?」。そんなもん簡単じゃん。
官民
官吏と人民。公務員と民間人。また、官庁と民間。
と、日本国語大辞典にも書いてある。
ただ、説明しながらふと思った。「官」が、「国」とかそういう意味を持つとしったのはいつだっただろう?
まさか「官吏」というような難しい言葉じゃあるまい。父親もふつうの会社員だったので「官舎」なんて言葉も知らなかったはずだ。「官公庁」なんて言葉を知ったのも、ずいぶん大人になってからだと思う。
ぼくの子供の時代は「おひなさま」が今よりももっと普通の存在(今も普通なのかな。よくわからないけれど)ではあったけれど、「さんにんかんじょ」が「三人官女」であることを知ったのも、ちょっと後のことだったように思う。
考えていてもわからないので、この便利な世の中の仕組みに頼ることにした。すなわち電子辞書で「官」から始まる言葉を並べてみたのだ(ずいぶんたくさんある)。
そうこうするうちに、ようやく発見した。
ぼくが「官」が「国」の意味であると知ったのは、「官製はがき」だ。
子供の頃はメールなどなく、テレビなどの番組キャンペーンやプレゼントの応募は「官製はがき」で行うものだった。多くの番組で「官製はがきに住所氏名年齢、電話番号とご希望の商品番号をご記入の上…」なんて言っていた。
今や、そうした応募なんかもメールや、ホームページから行うものだろう。手紙やはがきのニーズはすっかり減っているのだともきく。
すると子供たちは、「官」が「国」の意味であることを、何をきっかけに学ぶんだろうなあ。「将来の夢は、公務員になって官舎に住むことです」とか? いや、これも人口減少社会にあってはメジャーな夢たりえないだろうな。
「官民」なんて言葉の意味を、小学生に問うようなテスト問題などもなくなるのかもしれない。別に「だからなに?」って話だけど、そんなことを思った週末の午後だった(今日は土曜日)。