早期外国語教育は良いことずくめ?
日経新聞3月5日「教育」面、神奈川大名誉教授伊藤克敏氏のレポートが掲載されています。
要点を言えば「外国語の早期学習には良い面が多く、日本の教育でも早期外国語教育をぜひ取り入れるべきだ」というような内容。
前にも書いたけど、この見解には懐疑的なんだよなあ。
前者(早期外国語教育を受けた児童)は後者に比べ、母語能力が優れ、外国語学習に対して積極的な態度を示し、異質な文化や民族に対する態度はより受容的で、ことばにとらわれない抽象的な思考力に優れ、理数系の科目に優位さが見られるというカナダの研究結果が示されてる。
でもさ。
たとえばカナダにはもともとフランス語をしゃべる地域があったりするわけなんだよな。そして前も書いたように英・独・仏語なんてのは、私の知る「奄美大島弁」と「標準語」よりも近く感じられたりするものなあ。
文化的な面あるいは言語の類似関係の面に触れずに、外国における「成果」ばかり強調されても、それが日本に適用できる話だと思うことはできない。
それに就学率の差なんかの話もあるかもしれない。まあ初等教育場面に於ける差はさほどないのかもしれないけれど、でも資料が提示されないことには比較のしようがない。
また「教育」文化の違いもある。高等教育を(教育面での)エリート育成と考える教育文化もあれば、単なる「権利」としてとらえる教育文化もある。それぞれの文化の中では幼少期の「教育」に関するとらえ方も違っていると想像できる。
小学校あたりからの英語必修化は、もう何年も議論されてる話。個人的に「早期必修化が悪い」というデータは持たないんだけど、推進派の議論にも納得できないでいます。
# 外国語、習得しようと思う人は、騙されたと思ってラジオ講座のスキット丸暗記
# やりましょうよ。それ、二年間くらいやればそれなりに話せるようになります。