小説については同時代はほとんど読まず(まあ、読んでるのも結構あるけど相対的に)、また女流ものもほとんど読まない。だから出会うのにすごく時間がかかった。
そんなわけだから川上弘美はこの『神様』が初めてなんだけど、すごく良いっすね、これ。まだいくつか読み残しがあるけれど。
縁があって出会って、一応読み始めるけどまだネガティブな予断をもってた。さらに最初の短編の書き出しを見てすごく「失敗した」気持ちになった。書き出しとは「くまにさそわれて散歩に出る」というもの。
「ああ、こりゃまいったな」とか「こういうのやりたがる人、いるね」とか、完全に偏見に充ち満ちてた。体調悪いときならここで捨ててしまったかもしれない^^。だけど幸いに体調もよく、「ふんばりどころかな」なんて思いつつ読み進めてみた。
なんとまあ。面白いじゃないですか。全体にちょっと荒唐無稽なプロットを入れているんだけど、それに拘らずさらりと扱う扱い方がすごくいい。遠くラテンアメリカ文学の臭いがしたり。
僭越な言い方だけど、すごく小説を知っているのもいい。まだこの短編集しか手元にないんだけど、いくつか手に入れてみようと思っているところ。
おすすめ度の平均: 





