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落語も「聴き比べ」は楽しい ~ 白酒と志ん朝の「抜け雀」

落語ファン倶楽部 VOL.12が「特典CD付き」ってことで買ってみた。「お勉強」を始めたときに、VOL.11も買ったので続けての購入ってことになるな。

CDに入っているのは三遊亭白鳥の「初天神」と、桃月庵白酒の「抜け雀」。「初天神」の方は「新作」みたいな感じなのでおいとくとして、「抜け雀」が古今亭志ん朝版と比較できて面白かった(落語研究会 古今亭志ん朝 全集 下 [DVD]に収録されている)。

聴き比べるといろんな違いがあるけれど、最初に気になるのは絵の見え方。志ん朝版は「雀だけどわからんか?」と問われてよくみると「なるほど!」となる。しかし白酒版では言われてもわからない。

最初に志ん朝版をDVDで見ながら「言われなくちゃわからない絵」ということで、いったい何を意味してるのかなと考えた。そうやって気になったところが白酒版で変わっているのは面白い。

また、志ん朝版では「墨をすれ」と宿屋の主人が墨をすらされる。しかし白酒版ではそれぞれ絵かきが墨をする。志ん朝番の「人にやらせる」行為に納得していただけに、白酒版で自分ですることがまた興味深い。

そういえば先日、鈴本で古今亭駿菊版の「井戸の茶碗」を聴いたとき、やはり志ん朝版DVDと比較してみていた。駿菊版では志ん朝版と比べて、屑屋の武家に対する態度が若干丁寧さを欠く感じになっていた。最初は「口調」だけの問題かと思ってみていたんだけど、「振り」の方でもそういうニュアンスが出ていたので解釈によるものだと思う。

こんなふうに、いろいろと聴き比べができるのも古典落語の魅力だなあと、お勉強をはじめたばかりのぼくは感じていたりするのです。