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突然ですがこちらに移転しました。

幸せな時間 ~ 5月29日の鈴本演芸場に行ってみた

ついこの間、柳家一琴蔵出しの会行ってきた。これは前日になって柳家一琴のツイートで知ったもの。

柳家一琴はらくごカフェで何度も話を聴かせてもらっているものの、まだ寄席でみたことがない。先の蔵出しの会を知らないうちに、「また柳家一琴が聴きたいぞ!」と「東京かわら版」をチェックして、29日の鈴本に行くことを決めていた。

上出来な日だったなあ。

とくに楽しんだのが「強情灸」、「替り目」、「笠碁」。

「強情灸」は強情者の力の入れどころが、ぼくのフィーリングにぴったりマッチですごく楽しかった。CDは志ん生のものしか持っていない。面白くはあるけれど、そんなに好きな噺ではなかった。ただ今日の「強情灸」を聴いて、もっといろんな演者で聴いてみたくなった。楽しい演じ方だったな。

モグサを盛るシーンなども、失礼ながらちゃんと勉強していて、そこからきちんと笑いを引き出しているのが嬉しい。

「替り目」は最も印象に残っているのは枝雀版。DVDを持っているんだけど、何度観たかなあ。数えきれないほど。落語をひとつ覚えるのならこの噺を覚えて田舎(奄美大島)でやってみたい^^。

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で、今日の「替り目」はどうやら五街道雲助版に似ている。家に帰ってCDを聴いてみるとやはりそんな感じ(但し今日の白酒版は短い方のもの)。ネットを検索してみると、白酒は五街道雲助の弟子なんだそうな。そうだったのか。ぜんぜん知らなかった。ちなみに白酒は鶴丸高校出身だって。全国的に有名な高校じゃんね。県でくくるなら同じ鹿児島県人だ(但し奄美大島人はそんなに鹿児島県民という意識はないんだと思う。進学とかで繋がりは強くなるけれど)。

なんというか。五街道雲助版に枝雀版の面白さを足したような感じだったかなあ。白酒味がとてもよく出ていた。「壺算」も面白かったけれど、今日の「替り目」はこれまでの白酒のなかで一番好き。「真田小僧」なんかでも味のある人だけど、子どもが前面に出る噺だと、ちょっと子供っぽさに流れてしまうように思ってしまうんだな(個人的に子供の出てくる噺があまり好きじゃないせいもある)。

「笠碁」は囲碁の噺。志ん生が「俺は碁が打てないからお前は碁を覚えて笠碁ができるようにしろ」って馬生に言ったんだったっけ?

he's very happy igoing

ぼくも碁を打つしかなり好き。ただこの「笠碁」はそんなに好きな噺じゃない。「待った」なんてのは碁打ちのクズだし(笑)、また噺の内容だけ追うと、ジジイの嫌らしさなんてのを感じてしまうからかもしれない。

ところが今日の笠碁。「嫌らしさ」どころか、表現されていたのは「愛」(笑)。良い感じだったなあ。サゲも本来は笑うところと思うんだけど、ついウルっとくるような「愛」^^。

柳家喜多八はこれまで2度しか出会ってない。前回は5月8日の鈴本で、このときは「代書屋」だった。

「代書屋」のときも感じたんだけど、「え?」と思わせつつ独自の世界に引き込む不思議な魅力を持つ人だな。

「しびん」、「千早振る」は、これまで活字でしか知らなかった話。とくに「しびん」は、最近また何かの本で読んで気にしていたところなのでラッキー。

「千早振る」を演じた橘家文左衛門は、かなり「自由」な印象を受ける人。ぼくなんかにはその「自由さ」がまだよくわかんないところがあるんだけど、「千早振る」には合っている感じだった。

ちなみに『落語CD&DVD名盤案内』によると、志ん生は「千早振る」でサゲの「とは」までを演じないことがあったとのこと。それはそれでどんなもんなのか聴いてみたい。CDもあるそうだ。

ところで林家正蔵。ぼくの中では「林家正蔵と言えば『四段目』」って感じになってる。それはそれで良くて、今日も楽しく聞いた。できも良かった。ただ、テレビタレント時代は嫌いだった(てか、番組があまりにくだらなかったんだと思う)林家正蔵の魅力を感じつつある時期だけに、そろそろ違う噺(子供の出てこない噺)も聴きたいんだよな。

本当は林家正蔵がトリをとっている寄席に2回くらい通ってみようと思ってたんだけど、ちょっとスケジュールがあわなかった。だから「四段目」をきいて「しまった!」と思うのはぼくの怠慢のせいなんだけどね。

尚、本当は林家正楽の紙切りもあるものだと思っていた。最近なんか落語会系のスケジュールを見間違えることが多い。半端な知識がついてきた時期ってことかしら。困ったもんだ。

志ん輔&正楽、復興支援ポストカード
志ん輔&正楽、復興支援ポストカード posted by (C)torisan