最近はちょっと小説な時期 ― 4月に読んだ本
まだまだ夢中になれる作家は多いんだな。先月は瀬尾まいこを結構読んだ。今月は万城目学と森見登美彦。森見登美彦の「その外し方、あるよね~」と既視感を感じつつも、それでも楽しく読んでいる。
- 作者: 森見登美彦,くまおり純
- 出版社/メーカー: 角川書店(角川グループパブリッシング)
- 発売日: 2012/11/22
- メディア: 文庫
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今月も何冊か読んだ山本一力は、先月読んだ『研ぎ師太吉』が一番面白かったかな。『ジョン・マン』はお勉強の良いきっかけになってくれている。
今月(4月)の一番は『鹿男あおによし』。
以下、まとめ。
読んだ本の数:28冊
読んだページ数:8804ページ
ナイス数:91ナイス
ワシントンハイツの旋風
読了日:4月30日 著者:山本一力
粗茶を一服―損料屋喜八郎始末控え
読了日:4月29日 著者:山本一力
ビブリオバトル 本を知り人を知る書評ゲーム (文春新書)の感想
公式ルール 1.発表参加者が読んで面白いと思った本を持って集まる。 2.順番に1人5分間で本を紹介する。 3.それぞれの発表の後に参加者全員でその発表に関するディスカッションを2~3分で行う。 4.全ての発表が終了した後に「どの本が一番読みたくなったか?」を基準とした投票を参加者全員一票で行い、最多票を集めたものを『チャンプ本』とする。
読了日:4月28日 著者:谷口忠大
太陽の塔の感想
「何かしらの点で、彼らは根本的に間違っている。なぜなら、私が間違っているはずがないからだ」などと言う、「女性を必要もしない、あるいは女性に必要とされない男たち」の物語。最近の丑三つ時は「草木は眠っているか知らんが、人間はなかなか眠りやがらぬ」などと不思議世界を彷徨ったりもする。
読了日:4月27日 著者:森見登美彦
鹿男あをによしの感想
「最近は少なくなったけど、今でも奈良公園や春日大社の近くに住んでいる人は、近くのスーパーに行くときには鹿に乗ります」という女子高生たちと繰り広げる大学院生産休講師の話。モチーフとして挿入される剣道部の話だけでも相当にアツい。漱石リスペクトをわかりやすく解き明かしてくれる児玉清の解説も素晴らしい。
読了日:4月27日 著者:万城目学
かのこちゃんとマドレーヌ夫人 (角川文庫)の感想
たとえば「やおら」とか「とかく」とかいった言葉が好きだった。でも、「すこぶる」とか「やにわに」とかいった言葉は嫌いだった。そんなかのこちゃんと、マドレーヌ夫人の物語。「もう少し、マドレーヌを待とうと決めた」かなこちゃんと一緒に、しばらく余韻にひたったり。
読了日:4月25日 著者:万城目学
八日目の蝉
読了日:4月24日 著者:角田光代
四畳半王国見聞録の感想
「『手を握ってもかまいませんか?』と礼儀正しく訊ねると、彼女はクリスマスツリーのてっぺんを…見上げながら朗らかに『嫌です』と言った」などと、悲しい世界の話が物語られる。あやうく「私には恋人がいるが、それを証明するにはこの余白は狭すぎる」とすべてを放擲しそうになるが、四畳半王国に夢を託す。
読了日:4月23日 著者:森見登美彦
ジョン・マン 青雲編
読了日:4月22日 著者:山本一力
ジョン・マン 望郷編
読了日:4月21日 著者:山本一力
BT’63
読了日:4月20日 著者:池井戸潤
ペンギン・ハイウェイ (角川文庫)の感想
「ぼくはたいへん頭が良く、しかも努力をおこたらずに勉強するのである。だから、将来はきっとえらい人間になるだろう」なんてことを言う小学四年生が主人公。そんな生意気なガキが出てくる話はいやだ、というのが一般的な考えだと思う。ところが主人公、「生意気」ではないのだ。「ぼくはおっぱいが好きであることを認める。でもお姉さんを好きであることとはべつだ」と言う言葉でわかるようにズレているのだ。あまりのズレ具合ゆえに、世界の果ての住人に出会うことができるほど。ガキが嫌いな人でも楽しめる、少年の物語。
読了日:4月19日 著者:森見登美彦
辞書に載る言葉はどこから探してくるのか?ワードハンティングの現場から (ディスカヴァー携書)
読了日:4月19日 著者:飯間浩明
ホルモー六景の感想
「『きゅるる』と鳴く。『きゃあきゃあきゃあ』と囃し立てる。『ぴゅろお』と消える。これがオニである」など、『鴨川ホルモー』にあった秘密(?)を明かしてくれる本。「違うの」「違うって何が」「ずるぅうぎぃ、がっちゃあっ…」「は?」「ぼごき、ぐぇぼっ、ぼっ…」という、とても悲しいシーン(?)の描写も味わい深い。
読了日:4月16日 著者:万城目学
ちょちょら
読了日:4月15日 著者:畠中恵
仇敵
読了日:4月14日 著者:池井戸潤
ことばの散歩道
読了日:4月13日 著者:井上史雄
鴨川ホルモー (角川文庫)の感想
「一緒にENJOYしませんか? 京大青竜会」というビラに誘われてサークルに入った若者たちのものがたり。「ぐああいっぎうえぇ」などという言葉を使いながら、「世界」とのコミュニケーションを行う。よくある「プチ異世界もの」とか「地域/大学もの」だと油断していると、「ホルモー」に乗っ取られることになる。
読了日:4月13日 著者:万城目学
プリンセス・トヨトミの感想
「先頭を歩く男は、アイスクリームを食べている。真ん中の男は、やけに慌ただしく歩いている。最後尾の女は、すれ違う男たちを片っ端から振り返らせている」という会計検査院の役人たちが「大阪国」に乗り込む物語。迎え撃つのは「物心ついたときから大輔の夕食は、定休日の木曜を除き、お好み焼きだ」というような少年、あるいは少女。
読了日:4月12日 著者:万城目学
出逢った日本語・50万語:辞書作り三代の軌跡 (ちくま文庫)の感想
『日本国語大辞典』を批判する『近代国語辞書の歩み』を「悪口雑言の限りを尽くした文書」とする筆者の反論である「『近代国語辞書の歩み―余説第二章』について」が収録されているのは興味深い。
読了日:4月10日 著者:松井栄一
銀しゃり
読了日:4月9日 著者:山本一力
朝日選書74 ことばの海をゆく
読了日:4月7日 著者:
『広辞苑』は信頼できるか―国語辞典100項目チェックランキング
読了日:4月7日 著者:金武伸弥
九月が永遠に続けば (新潮文庫)
読了日:4月4日 著者:沼田まほかる
僕の明日を照らして
読了日:4月3日 著者:瀬尾まいこ
幽霊人命救助隊の感想
ひさしぶりに「なんちゃって」が楽しめる本…なんちゃって。
読了日:4月3日 著者:高野和明
あと少し、もう少しの感想
「中学校でやることに必要なのは、能力じゃない。嘘みたいだけど、努力だ」という言葉は「突き放している」のか、それとも気持ちの「熱さ」を評価するものなのか。「瀬尾ワールド」としては珍しく「仕掛け」の多い話だと思う。そして仕掛けにのって、かなり楽しんだ。
読了日:4月1日 著者:瀬尾まいこ
にほん語観察ノートの感想
「危険ですから、動物のエサを取らないでください」などという日本語を「観察」している本。やや根拠薄弱な説にひきずられるところあり。角川必携国語辞典から引いた「『しめる』は、しっとりすること。『しける』は、かわいてぱりっとしていなければならないものが水気をふくんでしまうこと」など、面白い話も多い。
読了日:4月1日 著者:井上ひさし
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