「機関車トーマス」のあまりのシュールさに驚いた話
伊坂幸太郎の怪著『マリアビートル』に「機関車トーマス」の話題がたくさん出てくるのでNHKを見てみた。
結論をいうと「超・難しい」。
随所でトーマスが何らかの「判断」を行うけれど、その判断の背景にある「理屈」ないし「論理」が壊れてる。ちゃんと考えれば「破綻」した理屈に則ってトーマスは行動する。
もちろんその後にトーマスは「反省」するが、その反省後に下す「判断」も、やはり少々怪しい理屈に則ったもの。
トーマス大図鑑 (きかんしゃトーマスのえほん) (きかんしゃトーマスとなかまたち)
- 作者: チーム・バグース,ヒット・エンタティンメント
- 出版社/メーカー: ポプラ社
- 発売日: 2010/03/25
- メディア: 単行本
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これはやはり、この理屈の「飛び具合」を笑い飛ばすという物語なのだろうな。そのぶっとんで、ある意味で「屁理屈」により動く世界に、ところどころ「まじめ」な「機械の信念」が投入される。そして全体的に描かれる世界は非常に「シュール」なものとなる。
なるほど、「普通」の世界を不合理にしてしまい、そして暴力的異常世界の中に論理をもたせる伊坂幸太郎ワールドと親和性は高いんだな。
もしかすると、上の『トーマス大図鑑』を読めば、それだけで伊坂幸太郎的世界を楽しむこともできるのかもしれない。