10月に読んだ本 ― そろそろ「現代作家を読もう!」も息切れかなあ?
そろそろ息切れ? 現代作家を読もうムーブメント
徐々に「現代作家を読もう」の勢いが衰えつつあるのか、終盤は岩波新書を3冊など。
高橋源一郎の『小説教室』と、山口二郎の『政権交代とは何だったのか』、そして『旬の魚はなぜうまい』。
『旬の魚はなぜうまい』はタイトルや冒頭の記述で文系本のように見せかけた理系本。内容はいろいろ勉強になった。
今月の伊坂幸太郎
そして今月も結局伊坂幸太郎を何冊か読んだ。でもそろそろ本当に弾切れだな。斉藤和義を知らないくせに、斉藤和義との対談本も読んだ。
奥さんに「付き合おう」って言った時に「考えさせて」って言われて、「え、こういうのって、考えるもんなの? 会議開くの?」って思った。
『しあわせなミステリー』の収録されていた伊坂幸太郎の「BEE」も面白かったな。個人的伊坂幸太郎作品中ベストである『マリアビートル』後の話。比喩を比喩でなくする伊坂幸太郎が、再度描く「スズメバチ」との戦いの話だった。
もちろん『アイネクライネナハトムジーク』も読んだ。今月末にも共著の新作が出るそうだ。
今月の津村記久子
先月『とにかくうちに帰ります』で出会った津村記久子も2冊読んでみた。ささいな出来事が重大化する様子がなかなか面白い。ただ作家自身はかなりマジメなタイプなのかな。
3冊読んだ中では『ワーカーズ・ダイジェスト』が面白かった。
以下、10月に読んだ本。下にいくほど月初に近い日に読んだもの。
2014年10月の読書メーター
読んだ本の数:23冊
読んだページ数:6268ページ
ナイス数:109ナイス
政権交代とは何だったのか (岩波新書)
読了日:10月30日 著者:山口二郎
一億三千万人のための小説教室 (岩波新書 新赤版 (786))の感想
「小説を書く前に、くじらの足がなん本あるか調べてみよう」ということが書かれていた。ロマンちっくな小説教室だったな。
読了日:10月29日 著者:高橋源一郎
これからお祈りにいきます (単行本)
読了日:10月27日 著者:津村記久子
旬の魚はなぜうまい (岩波新書)の感想
冒頭に俳句など掲載して文系本に見せながら、なかなかの理系本。「プランクトンを食べる魚の群れでは、群れの後部を泳ぐ魚は、前部を泳ぐ仲間が摂食した後を泳ぐことになるので、食物の配当は少ないだろうし、酸素量も減っていて、息苦しい」のだそうだ。あるいは「サメの仲間には鰾(うきぶくろ)がないので、ともすると体は沈みがちになる。胸鰭はここで揚力が生じて体を軽くする」ためにあるのだそうだ。「なぜうまい」のかはよくわからなかったが、魚について勉強になった。
読了日:10月26日 著者:岩井保
君は永遠にそいつらより若いの感想
「ありえないほどのでかいけつ、もはや何者もたちうちできない。半世紀に一度のでかいけつ、ばにばに、ぶりぶり、ごきげんよう」とか「尋常じゃない、尋常じゃない、マジでマリアがカムズミー、すごいケツが参勤交代、バリなすがままー」(Let It Be替え歌)なんて歌をうたう女性が主人公のお話。
読了日:10月23日 著者:津村記久子
夜のだれかの玩具箱の感想
「お味はどう?」と尋ねられたから「不味い」と答えた。「不味い」だけじゃ不親切だと思い、なぜ不味いかを説明してやった。とたん、恵理子は不機嫌になった。― そしてそこからありきたりな、でもたいへんな結末にいたるお話など。
読了日:10月22日 著者:あさのあつこ
虹の岬の喫茶店 (幻冬舎文庫)
読了日:10月20日 著者:森沢明夫
普通じゃない。―Extraordinary.
読了日:10月20日 著者:原田マハ
聖なる怠け者の冒険
読了日:10月19日 著者:森見登美彦
定理が生まれる: 天才数学者の思索と生活の感想
「数学者とは、真っ暗な部屋の中で、そこにいないかもしれない猫を探し続ける人のようなものだ」という比喩的なわかりやすい話から、「それはあり得ないことだったが、真実であった」という数学らしい(?)話まで。日常常識レベルの数学知識があるだけで随分と楽しめる。
読了日:10月18日 著者:セドリック・ヴィラーニ
しあわせなミステリーの感想
狙いはもちろん伊坂幸太郎の「BEE」。料理教室の名目で知人と高級食材料理を楽しむ妻に、「我が家では高級食材の料理を作ってくれないのか」と怖がりながら尋ねる男が主人公。怖がるあまり、「自分でも食べられたら、これにまさる喜びはないでしょうね。きっと無理でしょうが」というスタイルで尋ねたりする。しかしこの男、実は「スズメバチ」たちとの「同業者」。『マリアビートル』後の世界をタフに生き抜く男の物語。
読了日:10月16日 著者:伊坂幸太郎,中山七里,柚月裕子,吉川英梨
Bluff 騙し合いの夜 ミステリー傑作選 (講談社文庫)
読了日:10月15日 著者:
アイネクライネナハトムジークの感想
「いい男だと思うよ。暴力は絶対振るわないし」「こないだも二人で歩いてたら、酔っ払いに絡まれたんだけど、もう、ぺこぺこ平謝りで」という会話にも伏線が忍ばされている恋愛短篇連作集。ちなみに恋愛は「外交」に似ている。だから必要なスキルも同じ。「一つ、毅然とした態度、二つ、相手の顔を立てつつ、三つ、確約はしない、四つ、国土は守る。そういうものだ」。
読了日:10月13日 著者:伊坂幸太郎
八番筋カウンシル
読了日:10月12日 著者:津村記久子
ワーカーズ・ダイジェストの感想
「左足の下で、何かがばりっと音をたてる。たぶんCDかDVDのケースだろう。しかし床に放り出してあるということは、おそらく中身は入っていないので平気だ」と放置したり、「歯を磨きながらえずくのは、心筋梗塞だか脳梗塞だかの予兆の疑いがある、とテレビで見たことがある」と心配しつつ、でも「そんなこと言われたって、歯磨きが下手なだけかもしれない」とやはり放置するのが男の方の主人公。
読了日:10月9日 著者:津村記久子
クジラの彼 (角川文庫)
読了日:10月7日 著者:有川浩
ぼくは
読了日:10月6日 著者:藤野可織
天国までの百マイル (朝日文庫)
読了日:10月5日 著者:浅田次郎
伊坂幸太郎×斉藤和義 絆のはなしの感想
奥さんに「付き合おう」って言った時に「考えさせて」って言われて、「え、こういうのって、考えるもんなの? 会議開くの?」って思いましたねという伊坂幸太郎の話など。斉藤和義のことは知らないけれど。ところで、『ゴールデン・スランバー』っていうのは、あえて王道のハリウッド映画みたいなものをやろうと思ったんだそうだ。
読了日:10月5日 著者:伊坂幸太郎,斉藤和義
自転車冒険記---12歳の助走
読了日:10月5日 著者:竹内真
ゼロ、ハチ、ゼロ、ナナ。 (講談社文庫)
読了日:10月5日 著者:辻村深月
塩の街 (角川文庫)の感想
「このお話は最も純粋にライトノベルだったと思います」と著者自らいう通り、有川流ライトノベルの頂点のような作品。悪く言えば場面や文脈を無視した「イカニモ」なセリフが満載。「有川作品は大丈夫だけどラノベはちょっと…」と思う人は最後まで辿り着かないかも?
読了日:10月4日 著者:有川浩
1995年のスモーク・オン・ザ・ウォーターの感想
「カラオケで三人が一番盛り上がったのは、やっぱりパープルだった。たぶんわたしたちぐらいの世代なら、どうしてもそういうことになってしまうのではないか」という世代のおばさん4人がバンドを組む。そんな世代はないんじゃないかと疑問に思ったり^^。最後の「魂のシャウト」は残念ながら逆切れにしか思えなかった。
読了日:10月2日 著者:五十嵐貴久
読書メーター