「いさり火漁」ってのを聞いたことがある。夜の海で漁船を明るくし、イカを集めて釣り上げる漁法。
しかし日経新聞の記事によれば、イカは灯りに集まったりはしないんだそうだ。
実はイカは明るい所が大の苦手。餌を求めて浮上してきたイカに光を当て、眩しさから船底に移動したイカを釣り上げるのがいさり火漁だ。 via #日経新聞
— maeda hiroaki (@torisan3500) October 20, 2017
イカのイロハ(3)いさり火漁、習性を利用https://t.co/Nb34H9fQPi
日経新聞の記事に曰く、イカは灯りが苦手であり、船を明るく照らすと灯りを避けようと船底部分に集まるため、それを釣り上げるのだとのこと。
ぜんぜん知らなかった。漁師.jpってところにも、イカ釣りは「集魚灯に集まるイカの群れを次々にイカ釣り機で上げていく」と書いてあるんだけどなあ。
三省堂国語辞典にも「漁り火」が立項されていて、「夜、漁船が沖でさかな・イカなどを集めるために、たく火」とある。これは「誤解」に基づく定義なんだろうか。
ちなみに『日本国語大辞典』の記述は微妙だ。
いさり‐び 【漁火】
〔名〕
(古くは「いざりひ」「いざりび」)
夜、魚を漁船の方へ誘い集めるために燃やすたいまつ、かがり火の類。今日では集魚灯など電気照明に変わっている。ぎょか。
すなわち、『三省堂国語辞典』を素直に読めば、「灯りにイカなどを集める」と読めそうに思う。しかし『日本国語大辞典』では、もしかすると「漁船の方、すなわち船底にイカを集めるために灯りをつける」と読めないこともない。
ま、素人のぼくには「漁り火」の本当の用途もわからない。もしかすると日経新聞の記事がなにかの誤解だという可能性も考えられる。