「岩石」のほとんどは火成岩
ここ数日、旺文社の『地学用語集』を読んでいる。自分が無知なせいで、面白い記述ばかりがみつかる。
たとえば「岩石」。
「岩石」(via 旺文社 地学用語集)
— maeda, h (@torisan3500) 2022年5月8日
"成因によって,火成岩,堆積岩,変成岩に大別する。地表には堆積岩が広く分布するが,地殻全体では火成岩が圧倒的に多い(95%以上)。"
モノをよく考えないぼくは、こんな記述を読んで、一瞬「え、そうなの?」なんて思ってしまう。
「火山ってのは、どこにでもあるわけじゃないのに、火成岩が95%以上を占めるの?」なんて感じ。
こんな風に思うのは、地学的歴史観を無視してぼやっとしてるから。ふと「堆積岩」の方が一般的なんじゃないかなんて考えてしまう。
でもそんなわけはない。地学的歴史に思いを馳せればすぐわかるし、あるいは「堆積岩」の定義を考えてみればいい。
『ニッポニカ』をみてみる。
まず「堆積岩」とは次のようなものだ。
堆積岩を構成する物質には、砕屑物質と生物の遺骸、およびそれらのすきまを充填する膠結 (こうけつ) 物質とがある。砕屑物質は既存の岩石が侵食・風化されてできた岩石や鉱物の破片で、礫・砂・泥などである。
で、「砕屑物質」とは次のようなものだ。
砕屑岩をつくるおもな物質は、岩片、石英、長石類、および粘土鉱物であり、既存の堆積岩から供給されるものもあるが、もともとは火成岩や変成岩から供給される。
もうちょっと簡単にまとめると次のようになる。
砕屑岩は、火成岩や変成岩の岩片やそれをつくっていた鉱物と、堆積作用のなかで新たに生じた鉱物とからできているといえる。
もともと、火成岩だったものがおおく、堆積岩の「モト」になっているのだった。そりゃ「岩石」の多くは火成岩だよなあ。
ちなみに堆積岩は「sedimentary rock」、火成岩は「igneous rock」というらしいよ。
面白いなあ、『地学用語集』。ってか、モノを知らない自分がなかなか滑稽だ(^^)。