気になったこと日記 on はてな

突然ですがこちらに移転しました。

ヨイトマケ

電子書籍版を購入して、ずっと読まずにいた『マイナス・ゼロ』を、ようやく読んでいる。恥ずかしながら、初・広瀬正

どうもいろいろな分野で「広瀬」という姓が苦手で^^、意味なく敬遠していたというわけ。広瀬正は、実は、そうとうに面白そうな人なんだけどね。

Wikipediaに曰く「時間をテーマにしたSF作品を多く残し、『時に憑かれた作家』とも呼ばれる」とのこと。1924年に生れた、「時に憑かれた」作品を読むのは楽しいよ。

まだ途中なんだけど、「嗚呼、こんな言葉があったよね!」という言葉にも何度も出会う。たとえば「ヨイトマケ」。

なんの説明もなく登場するこの言葉。確かに「メジャー」な言葉であった時代があった。でも今や、Googleらないとなんのことかわかんないよね(Googleっても、あまりわからないかもしれない^^)。

ヨイトマケ」に「いわゆる」が付き、そして「おばさん」だと解説(?)される。それだけで、読者の「時空間超越感」が刺激される(笑)。実は、今の時代こそ広瀬正を読むのに最適なのかもしれない。

広瀬正の狙いとは違う感覚なんだろうけどね。「マイナス・ゼロ」の意味を、はやい段階で読者に提示する潔さもいい。しょうもない「伏線回収」ばかりが評価される作品(伊坂幸太郎のことじゃない。伊坂作品については、読者が馬鹿みたいに「伏線回収すげー」とか盛り上がってるだけ)とは異なり、読者に正しいストーリーを提供しようとする姿勢が嬉しい。

読み終わってないくせになんだけど。おすすめの作品。尚、作品中にはウェルズの『タイムマシン』も出てくるよ。ぼくも書棚から岩波文庫版を引っ張り出してきたところだ(余談だけど、『タイム・マシン』。岩波少年文庫版もあるんだね。ちょっと読んでみたい)。


www.youtube.com