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気になったこと日記 on はてな

突然ですがこちらに移転しました。

7月読書記録 ― 個人的ベストはまたも伊坂幸太郎より『死神の浮力』

今月、パーソナルベストはまたしても伊坂幸太郎。『死神の浮力』だな。

死神の浮力

死神の浮力

 

「浮力」を『日本国語大辞典』でみる。

静止している液体や気体の中にある物体がその液体・気体から上方へ引き上げるように受ける力。アルキメデスの原理により、物体が排除する流体の重さに等しい。

何かを「排除」したときに生まれる力が、あちこちでモチーフとして活用される作品。そのそれぞれに感心するし、そして直接的に「浮力」の言葉を使うシーンの選択に圧倒される。

死神シリーズでは『死神の精度』につぐ作品。こちらも好きだけど、かなり違った魅力があらわれている。個人的には「浮力」の方が好きだな。

死神の精度 (文春文庫)

死神の精度 (文春文庫)

 

今月の「読んでよかった」賞(?)次席も伊坂幸太郎で『バイバイ、ブラックバード』。太宰的世界やらゴドー的世界を書いて、それが嫌味も衒いにもならず楽しめるのが素晴らしい。

バイバイ、ブラックバード

バイバイ、ブラックバード

 

以下、読んだ本一覧。相変わらず「現代作家強化月間」です(^^)。

 

2014年7月の読書メーター
読んだ本の数:29冊
読んだページ数:8785ページ
ナイス数:145ナイス

フリーター、家を買う。フリーター、家を買う。感想
ライトノベル」作家がが「フリーター」という軽め(?)の言葉で描く作品。しかしあまりに重いリアルな怖さがあって驚愕。読むのに「心構え」が必要かも。
読了日:7月30日 著者:有川浩
死神の浮力死神の浮力感想
「浮力」をそこで使うのか、と驚愕しつつ大満足。ところで千葉さんは江戸時代の日本でも仕事をしていたが、「武家諸法度」のことを最初は「ハット」(帽子)だと思っていたんだそうだ。バカなのかと思うかもしれないけれど、毒物には強い。「危険物取扱いの資格がある」からだそうだ。全編に散りばめられる軽い言葉の中、しかし死にゆく父親は息子に向けて「俺が弱っていくことに、あたふたしないでくれ」などというアンバランスに重い言葉を伝えたりする。そんな重さと軽さの間でも「浮力」が働き、そして伊坂ワールドが作られる。
読了日:7月30日 著者:伊坂幸太郎
僕たちの戦争僕たちの戦争
読了日:7月30日 著者:荻原浩
残り全部バケーション残り全部バケーション感想
「人間、『さもなくば』なんて日本語、使う時が来たら、おしまいだよ。」とか「英検くらいじゃ今の時代、駄目だろうな」というシビアなアドバイスもありながら、焼肉屋に対抗するような日常の希望を感じさせてくれる本。
読了日:7月27日 著者:伊坂幸太郎
リレキショリレキショ
読了日:7月23日 著者:中村航
穴
読了日:7月22日 著者:小山田浩子
星空放送局星空放送局
読了日:7月22日 著者:中村航
陽気なギャングの日常と襲撃 (祥伝社文庫)陽気なギャングの日常と襲撃 (祥伝社文庫)感想
自分はひたすら言葉を発する男であるはずなのに、妻に「わたしの夫以外はすべて良い夫に見える」と言われた言葉の意味がわからない。「誰の残した言葉なんだろう。諺なんだろうが、意味がわからない」と悩む。それを聞いた友人は「それは格言とか名言とかではなく、単に、思ったことをそのまま言っただけだよ」と説明してあげるが、それでも「意味がわからない」と言い続ける男。そうした人物たちの物語。
読了日:7月22日 著者:伊坂幸太郎
陽気なギャングが地球を回す (祥伝社文庫)陽気なギャングが地球を回す (祥伝社文庫)感想
人の嘘を完璧に見破る男が偽警官を見つけた。しかし仲間は同意しない。「警官の服を着た人は、警官に決まってるよ」。それに対しては完璧な論理で反論する。曰く「サンタクロースの格好をした男の大半は、サンタクロースじゃない」。ちょっとズレた能力をもつ4人が世間を「ずらす」物語。
読了日:7月21日 著者:伊坂幸太郎
夜明けの縁をさ迷う人々夜明けの縁をさ迷う人々
読了日:7月19日 著者:小川洋子
あのとき始まったことのすべて (角川文庫)あのとき始まったことのすべて (角川文庫)感想
おでんの歌を歌う先輩も良い味を出している。真似をして「おでんでんでんででんででんでででん」と歌うと「全然違うな」と主張して「おでんでんでんででんでんでんでんででん♪ だよ」と教えてくれる。確かにぜんぜん違うな。お母さんに「あんた学校でフシギちゃんなの?」と疑われる少女は、テレビの「かたやー、と、聞き慣れた声と拍手の音が聞こえた。こなたー、と、また行司の声が聞こえる」なんてシーンに夢中になっていたりする。総じて甘酸っぱい青春物語だ。
読了日:7月17日 著者:中村航
きよしこきよしこ
読了日:7月17日 著者:重松清
県庁おもてなし課 (角川文庫)県庁おもてなし課 (角川文庫)
読了日:7月15日 著者:有川浩
ブラフマンの埋葬 (講談社文庫)ブラフマンの埋葬 (講談社文庫)
読了日:7月14日 著者:小川洋子
ロードムービーロードムービー
読了日:7月14日 著者:辻村深月
博士の愛した数式博士の愛した数式
読了日:7月14日 著者:小川洋子
(2) 機関車トーマス (汽車のえほん (2))(2) 機関車トーマス (汽車のえほん (2))
読了日:7月14日 著者:ウィルバート・オードリー,レジナルド・ダルビー,桑原三郎,清水周裕
ランラン
読了日:7月13日 著者:森絵都
夢見る黄金地球儀 (創元推理文庫)夢見る黄金地球儀 (創元推理文庫)感想
クライム・コメディ。コメディがあまりに定型的で、つい本を閉じたくもなる。それに耐えて読み進めると真の魅力が現れる、、、かなあ?
読了日:7月12日 著者:海堂尊
きらわれものの草の話―雑草と人間 (岩波ジュニア新書 (321))きらわれものの草の話―雑草と人間 (岩波ジュニア新書 (321))感想
イネ=オリザ・サティバの祖先種は、オリザ・ルフィポゴンと呼ばれる野生イネである、なんてことがさらりと書いてある。結構、レベル高いっす。
読了日:7月11日 著者:松中昭一
むかしのはなしむかしのはなし感想
「うちでは残飯をやるほうが多くて、ドッグフードは残飯が出なかった日だけのご馳走だった」というのは確かに「昭和」な話だろう。「決して開かない鍵がついてるドアがもしあるとしたら、それはドアじゃない」という泥棒の話はダジャレ風にも聞こえるし、あるいは奥深い真実にも聞こえる。「本好きの一人暮らしの男が、余計な金を取っておくわけがない」という話に自分の大学時代を思い出すのもやはり「むかしのはなし」。とある「ビッグイベント」から振り返る「かしのはなし」短編連作。
読了日:7月11日 著者:三浦しをん
モダンタイムス(下) (講談社文庫)モダンタイムス(下) (講談社文庫)感想
ストーリーはテーマのため、テーマはモチーフのため、モチーフは埋め込まれる言葉のため、というのが伊坂作品のベースなのだと思っていた。この『モダンタイムス』はどうやらストーリーにも重きをおいているような感じ。
読了日:7月10日 著者:伊坂幸太郎
モダンタイムス(上) (講談社文庫)モダンタイムス(上) (講談社文庫)感想
実家に勇気を忘れてきてしまった男が、部下による黒いサーバー破裂事件などを経由して人の勇気を試すようになるまでが上巻の話。
読了日:7月9日 著者:伊坂幸太郎
ゴールド・フィッシュゴールド・フィッシュ感想
「あたしは高校にいきたいけど、勉強するのはいやです。勉強しなきゃいけないと思うと、本当に、心から、とてもとてもつらくなります」と相談すると、「ロックをやってるやつのなかには、世間への疑問や憤りを、音楽を通じて訴えるやつもいる。でも、高校にいきたいけど勉強はしたくないというのは、ただのわがままなので、だれにも訴えないほうがいい」と指摘されたりする青春物語。
読了日:7月8日 著者:森絵都
魔王 (講談社文庫)魔王 (講談社文庫)感想
「アンダーソン」と「安藤さん」、外人風に発音すると確かに似ている。その「安藤さん」が主人公。加えて、眠っている時でも電灯を消す音を聞くと条件反射で「消灯ですよ!」と言ってしまう詩織ちゃんも脇を固める。不良に囲まれてしまったときの懇親のギャグとして「あのフライドチキンのおっさんって、ネクタイの黒い部分が、身体にも見えるよな」が出てくるあたりに伊坂ワールドがある。
読了日:7月6日 著者:伊坂幸太郎
聖夜の贈り物聖夜の贈り物感想
聖夜の出来事はすべてが「思い出」になる。何十回もの自分の聖夜を思い出してしまう短篇集。
読了日:7月5日 著者:百田尚樹
夜の国のクーパー夜の国のクーパー感想
「伊坂ワールド」というよりも、「リアルワールド伊坂風味」といった感じ。ところであとがきに曰く「そもそも、登場人物の命名について最上のお手本は、(僕にとっては)大江(健三郎)作品以外にありませんから、他の僕の作品もたいがいが影響を受けていると言っていいかもしれません」とのこと。なるほど、言われてみればそうか。
読了日:7月4日 著者:伊坂幸太郎
バイバイ、ブラックバード (双葉文庫)バイバイ、ブラックバード (双葉文庫)感想
面白い。事情があって主人公を監視する女性はいつも辞書を持ち歩く。但し、その女性が自由に振る舞うために重石となり得る「常識」、「気遣い」、「マナー」、「悩み」などは黒く塗りつぶされている。自分にとって「余分」な言葉を消し続ける彼女はしかし「山田太郎をあれだけ追い込んだのは、不知火しかいねえんだよ」という普通の人にとって全く余計な話を声高に主張したりする。冒頭から安易な逆転ハッピーエンドはないものかと期待したりもしたが、しかし『ゴドーを待ちながら』的不条理に圧倒的に楽しませてもらったりもするお話。
読了日:7月3日 著者:伊坂幸太郎
偉大なる、しゅららぼん偉大なる、しゅららぼん感想
「亀が甲羅を脱いで琵琶湖をジョギングしているのを追いかけた、追いつけなかった」なんてくだらないことを言っていた男の子が巻き込まれる神話的世界の物語。個人的には、他の万城目作品の方が好き。
読了日:7月2日 著者:万城目学

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