トップページの冒頭に載せている青空文庫の新着情報。「ほお」と思って放置しておくとあっという間に画面上から消えてしまう。「気になったこと」を看過すれば「気になったこと日記」じゃないんじゃないかなんて恐怖感もあって、可能な限りは読むようにしてる。
タイトルを見て些事を綴ったエッセイなのだろうと油断して読んだのが高村光太郎の「ヒウザン会とパンの会」。まあ高村光太郎が「会」と言うんだからおそらくは同人のことだろう。「パンを食べる人と何か別のものを食べる人の戦い」なんて話じゃないはず。でも題名に滑稽さがある以上、視点の面白さがウリくらいなエッセイじゃないかと。
半分正解で半分ははずれてました。タイトルに示される二つの会はやはり同人会のことなんだけど、あとは「普通」の活動報告。当時は「ヒウザン会とパンの会」と言っても滑稽さはなかったのかな。
それはともかく出てきた詩に驚いた。
泥でこさへたライオンが
お礼申すとほえてゐる
肉でこさへたたましひが
人こひしいと飲んでゐる
この詩、私は好きで暗唱してる(後段もあるんだけど、後段は好きじゃないので引かない)。10年くらい前かな。もう相手が誰だったかも忘れたんだけど、「ライオン」で飲んでいたら飲んでいる相手がこの詩を暗唱してびっくりした。
あれは、誰だったのかなあ。