たとえば「障子に指で穴をあける」っての、まだあるのかなあ。
奄美の実家は昔、縁側と部屋の敷居が障子戸だった。大掃除の時期にはどわ~っと洗って障子紙を剥がして張替えをしてたな。
で、その大掃除の前(大掃除の前じゃなくてもやったが)、障子によく穴をあけて遊んでいた。指を唾で濡らし、軽くこするようにすると障子紙が徐々に緩んでくる。そしていつしかプッと障子に穴があくんだよな。
あれはなぜか面白かった。
あと、なんだったかな、話は忘れちゃったけど「タバコ屋に道を聞く」ってな風習も廃れているんじゃなかろうか。タバコやってのは道を聞くにも、公衆電話用に小銭を崩してもらうのにも便利な存在だった。
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さらに前にもどこかで書いたけれど「軒先を借りる」という風習。今、都心に住んでいるせいってだけかもしれないけれど、こういうシーンを目にしなくなった。
「着物」ってのはまだよく見るけれど、それでも祖父のように一生涯和服しか着なかったなんていう人はもういなくなってるんだろうな。母は趣味で大島紬を織っていたりしたが、奄美に帰ってももうあまり和服を見なくなった。
あ、そうそう。奄美のうちの地域では「ツケ」での買い物も普通だった。買い物に行くのにお金はいらない。何か買うと向こうの帳面に買ったものと名前を書いてくれる。会計は月末かなんかにやってたんだろう。「晦日が忙しい」ってのもちょっとわかりにくくなっているのかもしれない。