読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

気になったこと日記 on はてな

突然ですがこちらに移転しました。

4月読書ノート。一番おもしろかったのは『入門犯罪心理学』でもんくなし。

1番面白かったのは『入門犯罪心理学』だな。文句なし。

入門 犯罪心理学 (ちくま新書)

入門 犯罪心理学 (ちくま新書)

 

80年代あたりに社会学や心理学、文化人類学ないし文学、そしてもちろん犯罪学なんかを勉強した人は文句なく楽しめる。

80年代あたりでも分析心理学ないし精神分析に意見する主張はあったけれども、それでも本書のようなスタンスは少なかったと思う。生理学の進化やビッグデータの適用可能性が広がる中、80年代からの「心理学」は大きく変化しているんだろうなあ。また勉強したくなってしまった。

あと、『はじめての構造主義』がとてもおもしろかった。

はじめての構造主義 (講談社現代新書)

はじめての構造主義 (講談社現代新書)

 

 数学風の観点から構造主義を眺めるのは、当たり前の視点ながら新書クラスではあまりない見方で面白い。「問題を個人レベルでとらえれば実存主義で、一般化してとらえるなら構造主義」なんていう、トンデモとしか思えない三田誠広の『実存と構造』の直後に読んだことも面白さに拍車をかけたかな。

構造主義を知らない人も、そしてもちろん知っている人も楽しめる本かと思う。三田誠広の本は「私怨」にも見える部分もあったり、かなり読んでいて辛かった。

あ。読んでいて辛かったといえば『「いいね!」が社会を破壊する』にはまいったな。

「いいね!」が社会を破壊する (新潮新書)

「いいね!」が社会を破壊する (新潮新書)

 

「いいね!」とカッコ書きで使うなら、それは今ではSNS絡みの文脈で理解するのが普通だと思う。本書もネットワーク社会について言っているんだから、やはりSNS系の話かと思うはず。ところが筆者曰く「私はソーシャルメディアの類は一切やっておりません」と。

単に「利便性ばかり追い求めればしっぺ返しがありますよ」という内容を、現代の流行にのっとって語っただけの本。筆者のことはよく知らないけれど、出版社か、あるいは編集者が極悪人なんだと注意しておこうと思う。

小説は坂木司。読み終えると「何かが足りない」と思ってしまうんだけど、面白く読ませてもらってる。『和菓子のアン』、『肉小説集』、『ワーキング・ホリデー』、そして『ホテル・ジューシー』と読んできた。一番おもしろかったのは『肉小説集』。

肉小説集

肉小説集

 

 『和菓子のアン』は、どうも「和菓子への愛」が感じられず、『ワーキング・ホリデー』は人間への信頼が強すぎ、『ホテル・ジューシー』は「いじけ」が「世間に迎合」している感じがしてひっかかる。そうこう言いながら読んでるわけだけど。そしてたぶん、まだ何冊かは読むはず。

以下、4月に通読した本たち。

 

2015年4月の読書メーター
読んだ本の数:19冊
読んだページ数:4541ページ
ナイス数:129ナイス

「いいね!」が社会を破壊する (新潮新書)「いいね!」が社会を破壊する (新潮新書)感想
「私はソーシャルメディアの類は一切やっておりません」(p181)という人が、ネットなどにもついていろいろと書いた本。
読了日:4月29日 著者:楡周平
ワーキング・ホリデー (文春文庫)ワーキング・ホリデー (文春文庫)感想
ハーブティーを頼む男を肉眼で目撃したのは人生で初めてだ。あれがうまいかまずいかはよくわからないけれど、それを頼むという選択肢を持っているだけで、こいつはただ者じゃないって気がする」などと考える(元)ホストが主人公。次々に発生するいろいろな出来事をあまりに素直に受け入れ過ぎな気もするけれど。
読了日:4月29日 著者:坂木司
緋色の研究 (新潮文庫)緋色の研究 (新潮文庫)感想
「私はおそらく残忍きわまる回教徒の手中に陥るほかなかったであろう」とか、事件の原因はすべてユタ州モルモン教徒、など。回教はともかく、「モルモン」や「ユタ」(ソルトレイク)の「ハズレ」具合はいろいろと興味深い。ジョーダン在りし日のブルズの好敵手であったのだがなあ。
読了日:4月25日 著者:コナンドイル
レモン・ドロップス (講談社文庫)レモン・ドロップス (講談社文庫)感想
梶井基次郎の『檸檬』を読んだ主人公。作者の写真を見て曰く。「本には梶井基次郎さんの顔写真が載っていて、ああ見なければよかったな、と思った。顔を知らなかったら、どんなにすてきなひとが書いたんだろうって、想像をふくらませることもできたのに」。まあ、わからなくもないか。
読了日:4月22日 著者:石井睦美
肉小説集肉小説集感想
『和菓子のアン』の人。「とんかつ屋でソース容器が壺みたいなのも嫌だ。分厚い陶器の蓋は開けた後、置き場所に困る。片手で注げる容器にしないのは、不親切というものじゃないだろうか」という男や、「大体、バーベキューでトウモロコシを出すって、どうなんだ。紙皿と箸を片手に持って齧るなんて、難易度高すぎだろう」などという男たちが主人公。
読了日:4月21日 著者:坂木司
春期限定いちごタルト事件 (創元推理文庫)春期限定いちごタルト事件 (創元推理文庫)
読了日:4月19日 著者:米澤穂信
はいくないきもの (谷川俊太郎さんの「あかちゃんから絵本」)はいくないきもの (谷川俊太郎さんの「あかちゃんから絵本」)
読了日:4月19日 著者:谷川俊太郎
基準値のからくり (ブルーバックス)基準値のからくり (ブルーバックス)感想
日本は太政官布告にて、成人年齢を当時諸外国で一般的であった21〜25歳よりも若い20歳とした。理由は「欧米人と比べ、日本人が『精神的に成熟している』ことと、『平均寿命が短い』ことから」。と、そんな雑学的知識も満載。ただしほとんどはまじめな基準値研究のお話。
読了日:4月17日 著者:村上道夫,永井孝志,小野恭子,岸本充生
イカはしゃべるし、空も飛ぶ―面白いイカ学入門 〈新装版〉 (ブルーバックス)イカはしゃべるし、空も飛ぶ―面白いイカ学入門 〈新装版〉 (ブルーバックス)感想
ぜひとも「トグロコウイカ」をGoogleってみて欲しい。まるっきりアンモナイト。いまひとつ納得できなかった(かもしれない)軟体動物のククリが実感できる(おまけに感動できる)。「トグロコウイカ」の存在を知っただけでも、この本を読んだかいがあった。と、言いつつ。実はこの本から得たものはあまりに多く、とてもこの文字数制限の中で書き尽くすことはできない。よって、ともかく「トグロコウイカ」を(^^)。
読了日:4月14日 著者:奥谷喬司
教養教養感想
「小松さんは人類の至宝です。そのすごさの一部だけでも、より平易な形で誰かが記録し、後世に残さなくてはいけません」ということで発案された鼎談集。鼎談本によくあるように、誤解に基づく話が膨らんだり、過激に進む面もあり。目くじらをたてるのではなく、「刺激」として受け止めれば楽しく読める。
読了日:4月12日 著者:小松左京,鹿野司,高千穂遙
はじめての構造主義 (講談社現代新書)はじめての構造主義 (講談社現代新書)感想
とても説得力のある記述で「構造主義」を説明する書。この記述で「構造主義」が理解できるかどうかはともかく、「文化人類学」的なものを学んだ/興味のある人は、いろんなことを思い出したり、あるいはさまざまな刺激を受けることのできる本。80年代にガクモンしていたものとして、非常に楽しめる本だった。
読了日:4月10日 著者:橋爪大三郎
英語を子どもに教えるな (中公新書ラクレ)英語を子どもに教えるな (中公新書ラクレ)
読了日:4月8日 著者:市川力
野川 (河出文庫)野川 (河出文庫)感想
富士山が古富士火山小御岳火山からできている話や、東京湾三浦半島と房総半島がひとつづきで、現在の東京湾あたりに古東京側が流れていた話。あるいは「オー・シャンゼリゼ」の「オー」は「オ」であるという話など。たとえば最後の話はウィキペディアにもある。「邦題の『オー・シャンゼリゼ』は、フランス語歌詞のaux Champs-Élyséesに由来し、発音は『オ・シャンゼリゼ』となる。auxは『オ』と発音し、これは方向や目的点等を示す前置詞 à と複数形の定冠詞 les が合わさった縮約形である」。
読了日:4月6日 著者:長野まゆみ
英会話不要論 (文春新書)英会話不要論 (文春新書)感想
「辛抱強く学ぶ意欲もないのに、また語るべき内容もないのに、何が何でも英語を喋りたい、ということこそ可笑しいのです」ということを主張する本。「反・英会話派」にとってはよくきく話ばかりかもしれない。『教養の力 東大駒場で学ぶこと』の斎藤兆史とは共闘(?)しているそうだ。
読了日:4月5日 著者:行方昭夫
教養の力 東大駒場で学ぶこと (集英社新書)教養の力 東大駒場で学ぶこと (集英社新書)感想
「私自身は使ったことのない言葉だが、ある時期の大学生は、(一般教養のことを)その略語である『パンキョー』という言葉を俗語として用いていたと聞く」という書き方に「イヤラシサ」を感じる人もいるかもしれない。こういう「感じ」があちこちに出てくるので、それでどうも読み進められないという人はいると思う。また「昭和後期の英語教育において浅薄なる実用コミュニケーション中心主義が声高に唱えられるようになった」という主張も随所にあり、「実用」こそ英語であり、あるいは教育の目的であるという人にも読みにくい本かもしれない。
読了日:4月5日 著者:斎藤兆史
カレーを作れる子は算数もできる (講談社現代新書)カレーを作れる子は算数もできる (講談社現代新書)感想
何か「カレー」への面白い言及もあるのかと思ったけど、そうではなかった。よくある「こうして思考力を身につけよう」タイプの本のひとつ。
読了日:4月3日 著者:木幡寛
カニの不思議カニの不思議感想
学術的な話と雑学的な話のバランスが少々馴染めなかった。訳文にも戸惑うところが多かったかな。日経新聞の書評を見て手にとった本。日経書評はこちら → http://www.nikkei.com/article/DGKKZO83512260R20C15A2MZB000/
読了日:4月3日 著者:ジュディス・S.ワイス
BOSS (実業之日本社文庫)BOSS (実業之日本社文庫)
読了日:4月3日 著者:堂場瞬一
入門 犯罪心理学 (ちくま新書)入門 犯罪心理学 (ちくま新書)感想
80年代に犯罪学を勉強していた者として、とても面白い本だった。とくに感心したのが心理学の進化。『知の逆転』の中でミンスキーが「カール・ユングは科学分野からとうの昔に消え去っているでしょう」と簡潔にまとめているのにもびっくりしたけれど、本書はさらにその先をいく。たとえば「フロイト理論は依然としてわが国では大人気であるものの、そのほとんどは、現代の心理学では過去の遺物となりつつある」など。犯罪学や行刑学はずいぶん面白くなっているのかもしれない。
読了日:4月2日 著者:原田隆之

読書メーター