浅草演芸ホールは4席の中で一番遠いのかな。加えて昼席が妙に混むのでちょっと行きにくい寄席。だけど行ってみれば大当たり。夜席は空席も出て環境的にも良かったな…
浅草についてまず昼飯(天ぷら)。そして浅草演芸場へ。着くなり「辰じん来い辰じん来い!」と祈りをこめてチェックイン^^。
結局夜席前座で辰じんは「金明竹」。ざわついていた会場が一気に集中していくパワー。ちょっとやっぱりすごいんじゃない? とくに先日、初めてつまらない金明竹を耳にして驚いたので、今日の話の面白さが際立った。
ちなみに辰じんは今日が2度目。前回は遠目からの鑑賞だったけど今日はすぐ近く。表情の動きなどもよく見えてさらに魅力的に感じた。ザワつく会場を引き込むパワーは、ぼくの数少ない経験で言えば古今亭志ん輔なみ。すっごい人やなあ…
狙ったいったわけじゃないけれど、会場入りしたのはちょうど仲入り前。仲入りを経て入ればちょうど通路側に空席があって座ってみることができた(漫才、粋曲などは離席してしまうので通路側が嬉しい)。
■ 昼席
- 仲入り
- 金原亭馬治 「鰻屋」
- 古今亭菊春 「替り目」
- 金原亭世之介 「鴨とり」(抄)
- 金原亭馬生 「稽古屋」
- 大喜利 茶番『大磯廓通い』
馬生の「稽古屋」は音曲噺。生で見るのは初めてかな。大喜利茶番も含めて「愉快な馬生」が見られて良かった。
■ 夜席
- 前座 入船亭辰じん 「金明竹」
- 三遊亭金兵衛 「初天神」
- 柳家三之助 「堀之内」
- 古今亭志ん輔 「目薬」
- 三遊亭歌笑 「親子酒」
- 林家正蔵 「ハンカチ」
- 柳亭市馬 「子ほめ」
- 三遊亭圓丈 「強情灸」
- 仲入り
- 三遊亭歌奴 「お花半七」(宮戸川)
- 柳家はん治 「居酒屋」
- 桂文楽 「看板のピン」
- 柳家権太楼 「つる」
- 林家正楽 線香花火、紫陽花、七夕
- 桂南喬 「天狗裁き」
今日のメインターゲットは柳家はん治。そして希望は入船亭辰じん(前座なので出てくるのかどうかわからない。すくなくともぼくには)。さらにおさえで古今亭志ん輔(オサエ、というのは、この人はまずハズスことがないから)。さらに何をやるのの興味で林家正蔵。そして純粋に楽しむ林家正楽という感じ。
で、何度も言うけど辰じんは嬉しかったなあ。「大ファンです」と伝え(まだ今日を含めて2度しか見てないけど)、ご祝儀を手渡そうかと思ったんだけど、何の用意もなかったので次回に先送り^^。いきなり「ファンなんです」と言われて困ってた(笑)。
先にも書いたけど前回某所でちょっとつまらない金明竹を観た。何がつまらなかったんだろうなあというところにも注意しながら聴いていたんだけど、主にはイイタテのリズムなんだろうな。誰がやっても面白い演目だと思っていたんだけど、ここのリズムはやはりすごく大事なんだ。辰じんの緩急はあまりに見事で、一度目のイイタテ中から拍手が起こってしまうほどだった。
初めて観た時もそうだったんだけど、「誰だよおまえ」という雰囲気の開場の中、圧倒的に場をリードする話力にびっくり。
金兵衛はあの顔で(いや、髪型で、かな)「初天神」がすごく面白い。クドクなるぎりぎりのところでの開放感があの顔と(いや、髪型と)相まって面白いんだよな。
「ハンカチ」は正蔵聴くのが2度目。なんだかもう少し面白くなりそうな噺だよなあと思いつつ聴くんだけど、どうなんだろう。この人の大物、ないしスタンダード古典が聴きたいと言い続けてしばらく。トリのときに行こうとは思ってるんだけど、なかなかタイミングが合わない。
そしてもうひとり目当てだった柳家はん治は「居酒屋」。この人で最初に聴いたのも「居酒屋」だったと思う。「なんか新しそうな噺だなあ」とさほど興味を持たずに聴いていたところが引きこまれてしまった。前回聴いた「粗忽長屋」の方が個人的には好き(「居酒屋」もかなり好き。でも「粗忽長屋」は超好き)。でもこの人の「雰囲気」は最高だな。下席ではトリをとるので、ぜひとも複数回でかけて見たい。