遅ればせながら『舟を編む』を読んでみた。辞書の話なのだということで興味をもちつつ、でも「軽すぎる」なんて評価もあるようで躊躇っていたもの。
読んでみて、さっさと読まなかったことを公開したな。「軽さ」ってのは、おそらくは出てくる固有名詞に引きずられての印象じゃないかな。他にはどこが「軽く」て、人によってどんな不満を感じるのか全く理解できなかった。
端的に言ってすごく面白かった。
で、つい影響されて読み終えてすぐ、三省堂神保町本店まで国語辞典を買いに行った(笑)。英語辞典や漢和辞典は「あほか」くらいに持って見比べてわははと笑っているんだけど、国語辞典はなぜだかあまり持っていない。
想像するに、いろいろと本を買い集め始めた頃に新明解大ブレイクがあって、それでどうも国語辞典を買うのが恥ずかしくなったんじゃないかと思う(笑)。
だからこれまで「新明解」も持ってなかった。今回はその新明解と大辞泉を買ってきた。
ところで国語辞典をみるとき、ぼくはいつも最初に見る単語が決まっている(ちなみにこれは有名な振る舞いなのだそうで、人前で言うと少々恥ずかしい癖なのかもしれない)。
ぼくが国語辞典系でまず引いてみるのは「みぎ」。標準や頑張りや諦観など、いろいろ見えてくる。たとえば「アナログ時計の文字盤に向かった時に、一時から五時までの表示のある側」。この記述から辞書名を当てる人は結構いると思う。
— maeda hiroakiさん (@torisan3500) 2013年4月15日
上のは「新明解」。「頑張ってる」けど、悪く言うと「衒い」が感じられたりしないかな。ぼくはそんな風に感じる。
岩波国語辞典第三版(今は第七版が出ていて、装丁も格好良い)では「東を向いた時、南の方、また、この辞典を開いて読む時、偶数ページのある側」となっている。これもやはり「頑張って」る。ただ、あまり「衒い」はないように思う。
買ってきた大辞泉はこんな感じ。「東に向いたとき南にあたる方。大部分の人が、食事のとき箸(はし)を持つ側」。広辞苑第六版も類似だ。「南を向いた時、西にあたる方」。
この「○○を向いた時」という表現はよく見かける。最初に見たのもこういう表現で、以来ぼくは「右」を最初に見ることにしてる次第。
ところで大辞泉にはDVDがついていて、パソコンで簡単に言葉を引いてみることができるようになってる。
RT @torisan3500: 今日買ってきた大辞泉にはDVDがついている。今の時代には当たり前かもしれない。グロリアエンサイクロペディアなんかに驚愕したぼくたちは、「すげえ時代だなあ」とイロイロと感動してしまう。 twitter.com/torisan3500/st…
— 大辞泉編集部さん (@info_dai_jisen) 2013年4月14日
辞書を読んでいると楽しいし、大きな辞書は触っているだけでゾクゾクする(笑)。でも「活用」を考えて置いておくとなると、かなり神経を使うんだよな~。