『老人と海』を初めて読んだのは小6の頃。母の蔵書から抜き出して読んだ。すごく好きになった作品で、小6時代の半分の期間くらいは、『老人と海』に思いを寄せることで過ごしていたような気すらする。
この作品の魅力はなにか? もちろんぼくなりの答えを持っているのだけれども、Chat AIにも「老人と海の魅力について400字程度で教えてください」と尋ねてみた。
ChatGPTは次のように答えてくれた。
『老人と海』は、ノーベル文学賞作家であるアーネスト・ヘミングウェイによって書かれた短編小説です。この作品の魅力は、その深い哲学性と登場人物の内面世界の描写にあります。
物語は、老漁師のサンティアゴが、84日間の苦闘の末に巨大なマグロを釣り上げるところから始まります。しかし、サメによってマグロを奪われてしまった彼は、孤独と無力感との戦いを繰り広げます。この苦難の中で、サンティアゴの精神的な強さと意志の力、そして尊厳が描かれています。
小説はシンプルな言葉遣いで書かれており、その美しい文体が読者を引き込みます。ヘミングウェイの特徴的な文体は、余計な装飾を排除し、力強く短い文で情景を描写することによって、物語の鮮烈な印象を与えます。また、自然との対話や人間の存在の意味についての深い洞察が詰まっており、読む者に考えさせる要素もあります。
さらに、サンティアゴの孤独や苦難に対する抵抗と、彼の精神的な成長が感じられる点も魅力です。彼の内面の葛藤や希望を通じて、読者は困難な状況に立ち向かう勇気や、人間の持つ力強さに感銘を受けることでしょう。
『老人と海』は短い物語ですが、その中に詰め込まれたテーマや象徴、登場人物の情緒的な葛藤は、読者の心に深い感動を残します。この作品は、自己超越や努力の尊さ、そして人間の根源的な力を描いた名作であり、多くの人々に希望と勇気を与えることができるのです。
どうかな。ぼくはこの評価を全く認めることができない。
まず、冒頭から「ノーベル文学賞作家であるアーネスト・ヘミングウェイによって書かれた短編小説です」という説明が不親切だ。「ノーベル賞作家によって書かれた」のではなく、この『老人と海』によって、ノーベル賞を得たのだ。
さらに「この作品の魅力は、その深い哲学性と登場人物の内面世界の描写にあります」という、何かを語っているようで、何も語っていない評価が気持ち悪い。そして、ポイントも大きく外しているように思う。さらに「サンティアゴの孤独や苦難に対する抵抗と、彼の精神的な成長が感じられる点も魅力です」というのも気になる。ぼくの印象の中に「彼の精神的な成長」は残っていない。もう一度読んでみるけれど、「サンティアゴの成長」なんていうモチーフはなかったんじゃないのかな。
ちなみにBingに同じ質問を投げたところでは「老漁師と少年との友情や、老漁師がマグロに対して抱く敬意や同情も、読者の心を打ちます」との回答が戻ってきた。「少年」に触れているだけで、ChatGPTの数百倍も価値ある回答になっていると思う。
本作品、Amazonで光文社文庫版が今月の「月替りセール」になっているし、おまけにKindleUnlimitedの対象ともなっている。最後に読んだのはもう数十年(笑)昔なので、もう一度読み直してみようと思う。
なお、英語版はたとえばProjectGutenbergにも公開されている。これまで英語版は読んでいなかったので、こちらも併せて読んでみようと思う。