2月に読んだ本たち。伊坂幸太郎の新作が登場するも、ちょっと楽しめなかったひとつき
飛鳥井千砂が「怖い」作家であることを知ったのが最大の収穫だった2月。男を描くときは「おもしろい」(興味深い)んだけど、女性を描くととても怖い。まあこれは、個人的な経験に引きずられているせいかもしれないけれど。
大好きな伊坂幸太郎の新作はあまり楽しめなかった。好きじゃない清水義範の作品はやはりあまり面白いとは感じられなかった(『永遠のジャック&ベティ』は大好きだ。他にも何冊か好きな作品はある)。
ダナボイドはもう読まないかな。原田マハはもうちょっと純文学系かと思っていたが、中間小説系なのか? もう少し読んでみる。
以下、2月に読んだ本たち。
2015年2月の読書メーター
読んだ本の数:18冊
読んだページ数:5288ページ
ナイス数:134ナイス
99・9%は仮説 思いこみで判断しないための考え方 (光文社新書)の感想
「地震が起こる理由もよくわかっていません。プレートのずれこみが原因とされていますが、もしかしたら微生物(!)が地震を引き起こしているかもしれないのです」というようなお話たち。
読了日:2月27日 著者:竹内薫
はじめてわかる国語の感想
「国語教育は、本来の目的が高度でありすぎるために、いつの間にかとんだ方向違いに流れがちなのである」と、いうことをいろいろと。
読了日:2月27日 著者:清水義範
壱里島奇譚の感想
真夏の田んぼで白いものが、くねくねと全身を動かしているのを見かけたとき、もしその正体がいったい何なのかと考えると気がふれてしまう。「くねくね」を見たら「何も見なかった」ことにするしかない。そんな(?)物語。
読了日:2月26日 著者:梶尾真治
アシンメトリー (角川文庫)の感想
『学校の先生』、『チョコレートの町』、『サムシングブルー』に続いて4冊目の飛鳥井千砂。『サムシングブルー』でも感じたけれど、この人は「女性」を描くと怖いんだな。きっとぼくがいい加減に女性と接してきたせいなんだろう。女性は、本当は、怖いんだな…^^
読了日:2月23日 著者:飛鳥井千砂
サムシングブルーの感想
『学校の先生』、『チョコレートの町』ときて3冊め。前2作品は「働く男」の描き方がとてもおもしろかった。この「サムシングブルー」は女性視点の物語。「ふつー」のことの積み上げで生まれる物語を楽しく読んだ。「女の恋は追記じゃなくて上書き」とよく言われるけれど、「上書き」じゃない恋もあるんだな。
読了日:2月22日 著者:飛鳥井千砂
火星に住むつもりかい?の感想
現実とのアナロジーで解釈されることを徹底的に拒むために「現実性」を完璧に脱ぎ捨てた作品。これまでは比喩的にではあれ「現実感」をもっていた「伊坂の暴力」すらまったく架空の世界のモノとして描き直している。これからどこに進んでいくのだろう。もちろん現実との繋がりを垣間見せる部分もないではない。「組織にとって一番面倒なのは、前例のないトラブルだ。 なぜか。 参考にすべき対処方法がないため、結果的に、上層部の能力が試されてしまうからだ」あたりは完璧にリアルな部分だろう。
読了日:2月21日 著者:伊坂幸太郎
快楽の感想
前半で倉橋由美子を思い出し、後半でデュラスを思い出したりするなど。懐かしく楽しめた。
読了日:2月19日 著者:青山七恵
つながりっぱなしの日常を生きる: ソーシャルメディアが若者にもたらしたもの
読了日:2月17日 著者:ダナ・ボイド
チャーシューの月 (Green Books)
読了日:2月14日 著者:村中李衣,佐藤真紀子
反撃 (teens’ best selections)の感想
「神様が、私を祝福してくれていると、かんちがいできるほど、そらは本当にまぶしい光だった」などと言う、クールな登場人物たちの物語。
読了日:2月12日 著者:草野たき
チョコレートの町の感想
名前を見れば女性であることはすぐわかるのに、読んでいるうちについ男性作家かと思ってしまうようなところもある。男が、仕事をする様子がとてもうまく書けていると思う(前に読んだ『学校のセンセイ』も)。まだ2冊しか読んでいないけれど、ぜひ他の作品も読んでみよう。
読了日:2月11日 著者:飛鳥井千砂
クリオネのしっぽの感想
「アラビア語講座をやっていた。好きな番組だ。何回か見ているけれど、一言もわからない。でも、この全然わからないっていうところが好きなのだ」と、いう女の子が主人公の物語。
読了日:2月9日 著者:長崎夏海
ぐるぐるまわるすべり台 (文春文庫)の感想
タイトルはもちろんビートルズの「ヘルター・スケルター」。世代的にとかいろいろ、読者を選ぶ作品なのかも。
読了日:2月8日 著者:中村航
まぐだら屋のマリアの感想
「『ごはんのひと粒には、七人の神様がおわす』。だからひと粒でも残したらばち当たるぞ、って。でもおれ、茶碗一杯で何千人かの神様を食っちゃうってほうが怖くなっちゃって」(ご飯食えなくなった)なんてことを言う男も出てくる食事小説(?)。おいしゅうございました。ちなみに「まぐだら」とは「マグロとタラをかけあわせたような世にも美味な魚」のこと。
読了日:2月7日 著者:原田マハ
きみスキ―高校生たちのショートストーリーズ (teens’best selections)
読了日:2月5日 著者:梨屋アリエ
グレイメン
読了日:2月5日 著者:石川智健
君がいない夜のごはんの感想
「カルボナーラやボンゴレのうちはまだよかった。やがてタリアテッレ・ゴルゴンゾーラとかアーリオ・オーリオ・ペペロンチーノなどというミドルネームだかをもつものたちが現れたのである」などという初老男性共通の悩みから、「或る夫婦がセックスの仕方を間違えていたために子供ができなかった、という話をきいたことがある。一体、何をどう間違えていたのか、おそろしくて尋ねることができなかった」という初老男性共通の慎みまで。
読了日:2月3日 著者:穂村弘
つきのふね
読了日:2月1日 著者:森絵都
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