「technicolor」は「技術色」というような意味だから、「天然色」と訳したのは、何らかの転倒があるんじゃないか、というような話を読んだ。
一九五〇年代に technicolor film が入って来た時、日本人はこれを「天然色」と訳していました。technicolor を直訳するなら 「技術色」「人工色」だか ら、「天然色」 (natural color) という日本名は、価値づけの力点を反転しています。
— maeda, h (@torisan3500) 2022年10月26日
via 『社会学入門』(見田宗介)https://t.co/F51fc1EYdz
「なるほど!」と思いそうだけど、「technicolor」を辞書で調べてみたよ。
以下はランダムハウス英和大辞典。
Tech・ni・col・or
n.
1 *1 テクニカラー:三原色フィルターを通して撮影した3本の陰画フィルムを重ねて焼き付けし,最終的な色彩画を作り出す天然色映画製作の方法.
だよな〜。
何が「だよな〜」かと言えば、technicolorは、そもそも「商標」として生み出された語だ。つまり「technicolor」に、どのような意味が込められていようとも、それは言うなれば「商標登録者の勝手」であり、「techni」な「color」なのに「天然色という訳語はおかしい」なんて言えた義理ではないのだ。
見田宗介の著作をけなすつもりは全くない。ただ「technicolor」を天然色と訳すのは「反転」であるというのは「ちょっとできすぎた話」であるようだ。
英語ができちゃうが故の「行き過ぎ」解釈だったように思うな。