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阿部謹也

阿部謹也。学生時代、ちょっと好きな人だった。わかりやすく「教養」を与えてくれる人だったから。最初に読んだのは、教養主義時代には誰もが興味をもったはずの『ハーメルンの笛吹き』。

大学に入学したばかりのぼくは、浮かれまくり、ヘーゲルマルクスサルトルキルケゴールフロイトユングレヴィ・ストロースなどの著作を買い漁り「さあ、勉強だぞ」と盛り上がってた。でもほとんどの本の意味がわからない(笑)。そんな中、「わかりやすい!」と出会ったのが山口昌男阿部謹也。「嗚呼、ぼくにもわかる本があった!」というのが最初の出会い。

ぼくに「嬉しさ」を与えてくれた阿部謹也は今でも好きだ。そんな彼が著した『物語ドイツの歴史』を読んでいる。

なかなか面白いんだけど、なんだか強く「阿部謹也史観」が出ている(出すぎている?)ような感じも受けてしまう。

たとえばこんな記述がある。

ファウスト』の解釈はこれで良いのかどうか。阿部謹也が正しいとするのは圧倒的に正しい解釈だろう。でも、なんだかこの解釈は「面白すぎ」る。少しだけ「本当かなあ?」と疑ってしまう。まあ、それが勉強の機会を与えてくれるわけで、それはそれで楽しくはあるんだけどね。


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