大学時代にはやっていたもの
久しぶりにジョン・アーヴィングのことを思い出し、そういえば「学生時代に流行っていたものはなんだったか?」を考えてみた。
ちなみにぼくは1984年に大学に入学した。
真っ先にあげるのは『構造と力』だ。ぼくもはまったし、あと、テレビドラマなんかにも「大学教授の読む本」という扱いで取り上げられていたりした。
浅田彰・柄谷行人・蓮見重彦は、どこの学園祭でも対談をしてたっけ。対談といえば、立花隆や筑紫哲也も「すごく」はやってた。講演会に10回くらいずつは言ったかな。
小説は中上健次がすごくはやってた。あと村上春樹が「三部作」を書いたりしていた時代。村上龍も『コインロッカー・ベイビーズ』なんていう怪作を発表してた。ちょっと古くなりつつあったけれど、倉橋由美子なんかも(少なくともぼくにとっては)必読書だった。
大江健三郎はちょうと「雨の木」や「息子」の話をしはじめて(個人的には)つまらなくなりつつあった時代。でも『死者の奢り』や『芽むしり仔撃ち』の圧倒的存在感はすごかった。
心理学の分野では、(まだ)フロイト、ユングが「絶対視」されていた時代だった。今の時代からは全く考えられない。フロイト、ユングの理論は実生活(犯罪者処遇)なんかにも使われていた。まあ今も、「犯罪者処遇」は「多少のミスは許される」分野であるように思う。
文化人類学もわりとはやりの学問で(これはぼくの偏見かもしれない)、山口昌男が必読書だった。ぼくの大学卒業時期あたりから、徐々に山口昌男の影響力は薄れていったのかな。「文化人類学をやってます」という青学の学生が、山口昌男の名前を知らなくて驚いたのは1990年頃の話。
音楽はどうだったかな。ああ、おニャン子クラブが全盛の時代だな。おニャン子クラブはよくわからないけれど、新宿Pit Innにはエルビン・ジョーンズなんかがやってきて、普通に一緒に会話したりできる時代だった。山下洋輔がタモリとのセッションをしたり、すごく楽しかったよ。佐野元春、井上陽水なんかもよく流れていたな。
あ、あと尾崎豊が流行ったんだっけ? ぼくは尾崎豊はまったくわからない。でも本当にはやっていたね。その近辺(?)で言うなら斉藤由貴や南野陽子もはやってたかな。ああ、そうそう、大御所の松田聖子もこの時代だっけ。
堀ちえみの「Wa・ショイ!」なんて変態な曲もそこそこはやっていたかなあ。
今ではまったく想像できないけど。当時は「カラオケボックス」ってのはなかった。あったのは「カラオケ・スナック」。知らない人たちが酒を飲みながら、テーブル毎に順番で歌ったりしてた。よその人のテーブルから「お前、もう一曲歌ってみろよ!」なんて言われるのはちょっと誇らしかったね(笑)。
そういえばあれも、だとか、他にもいろいろと思い出してしまう。でもまあ、「思い出そう」と思って最初に浮かんだのはこんな感じ? 思い出す順序にも意味があるのかもしれず、とりあえずこんなところにしておこうかな。
面白く感じることにとことん集中できる学生時代は楽しかったな。まあ、今でも周囲に迷惑かけつつ、そんな生活をしてたりするけれど^^。